この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
高嶋 真紀

永遠の輝きを放つダイヤモンドジュエリーは、いつの時代も女性にとって憧れの存在です。古来からダイヤモンドは、神像を装飾したり王族や聖職者のみが身に着ける崇高な宝石とされてきました。これからもずっと長く使えるダイヤモンドジュエリーを選ぶために、ダイヤモンドジュエリーの種類や歴史、価格などについて簡単に学んでおきましょう。
ダイヤモンドは炭素原子が集合して生成した物質です。モース硬度は10ですが、硬度9のルビーやサファイアと比較してもかなり大きな差があり、地球上で最も硬い物質として知られています。太陽光や酸にも強いため、ジュエリーとして長く着用できる優れた安定性を持っています。 ダイヤモンドは光を反射するとキラキラとした強い輝きを放ちます。その理由は、ダイヤモンドが持つ高い屈折率のためです。一般的な宝石の屈折率は平均して1.5前後ですが、ダイヤモンドの屈折率は2.41と大変高いのです。ラウンドブリリアントカットを施すことで屈折率の高さが生かされ、強い反射光を放ちます。
ダイヤモンドの高い屈折率による反射光の美しさは、「ブリリアンシー」「ファイアー」「シンチレーション」の3つの輝きの要素で決定します。
ダイヤモンドの内部に入った光が石の底で屈折して、まぶしい光を放つことです。
ダイヤモンドの内部に入った光がプリズムになり、虹色の光を放つことです。ディスパージョンとも呼ばれています。
ダイヤモンドの内部に入った光がフラッシュのように瞬き、閃光を見せることです。 このように、以上の3つの要素が集まることで、ダイヤモンド特有の強い輝きを見せるのです。
ダイヤモンドといえば無色透明のものが一般的に知られています。ダイヤモンド鑑定書では、ラウンドブリリアントカットが施された無色透明のダイヤモンドを鑑定しますが、無色に近く透明感の高いものほど評価が高くなります。色は黄色や茶色になるほどグレードが低くなりますが、それ以上濃いものは「ファンシーカラー」と呼ばれ希少価値が付く場合があります。 ファンシーカラーの種類は黄色、茶色、ピンク色、赤色、青色、黒色など大変豊富です。特に天然のピンク色や青色は非常に稀なため、大変高値で取引されることもあります。
ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質ですが、「へき開」という一定方向に割れる性質を持つことから、衝撃に弱いという欠点を持ちます。そのため、へき開方向に衝撃を与えることで、ひび割れや欠けが生じる恐れがあります。ダイヤモンドジュエリーを着用する際には、ぶつけたり落としたりしないように注意することも必要です。重いものを持ったり家事をする場合にどには、ダイヤモンドの指輪やブレスレットなどは必ず外すようにしましょう。
ラウンドブリリアントカットにした一粒ダイヤモンドを、4本または6本の立て爪でセッティングしたリングです。婚約指輪の代表的なスタイルとして知られています。
小粒のメレダイヤモンドを、リング一周にぐるりと敷き詰めたデザインです。ダイヤモンドを途切れなく配した「永遠の愛」を象徴するとされます。リングに半分配されたものは「ハーフエタニティ」と呼ばれます。
パヴェとはフランス語で石畳という意味です。メレダイヤモンドをモチーフいっぱいに敷き詰めたデザインで、ゴージャスなボリューム感があります。
爪が見えない方法でセッティングされたデザインです。裏がレール留めになっており、表から見ると花や動物などのモチーフがまるで本物のように見える造形的なスタイルです。
一粒ダイヤモンドを配したシンプルなネックレスです。カジュアルからビジネス、フォーマルまでどんな装いにも合わせやすく、永遠の定番アイテムとして人気です。高級感があり着ける人の年齢や好みを選ばないため、プレゼントにも最適です。
花や動物、星やハートなどの可愛いモチーフにダイヤモンドを配したデザインです。モチーフに願いを込めたり、愛を伝えるプレゼントとして好まれるデザインです。ペアネックレスとして男性が選ぶ場合も多いようです。
長いチェーンに、ダイヤモンドや宝石を間隔をあけて配したデザインです。チェーンの長さはさまざまで、2重で着用したり他のネックレスと重ねるなど豊富な着け方を楽しめます。
一粒ダイヤモンドを配した定番のデザインです。カジュアルからフォーマルまでどんな装いにも合い、飽きがこないためずっと長く使用できるのが魅力です。
耳たぶからぶら下がるタイプで、しなやかな揺れが女性らしさを高めます。縦長のラインを強調するので顔周りをすっきりと見せる効果も。ペアシェイプやラウンドシェイプなど、デザインも豊富です。
丸いフープ型のピアスが、耳たぶを囲むフォルムのピアスです。ダイヤモンドをフープ全体に敷き詰めたものや一粒だけ配したものなどデザインも多彩で、横顔を華やかに演出します。
ダイヤモンドをブレスレットをぐるりと一周、隙間なく配したデザインです。途切れなく配したダイヤモンドが大きく輝き、大変豪華な印象を放ちます。
ハートや星などのモチーフにダイヤモンドを配した、シンプルなブレスレットです。愛らしい雰囲気があり、プレゼントとしても人気です。
チェーン全体にダイヤモンドや宝石が一定の間隔をあけて配されたデザインです。エレガントな雰囲気があり、どんな装いにも合わせやすいスタイルです。
留め金のない、腕にはめるスタイルのブレスレットです。幅が広く金属の光沢が華やかです。ダイヤモンドを全体に配したものや、フロント部分だけに配したものなどデザインも多彩です。
ダイヤモンドジュエリーには、ダイヤモンドが持つ性質と美しさを最大限に生かしたデザインが使用されています。ダイヤモンドの美しさは、鑑定書にある「4C」のグレードで決められます。4Cとはカラット(重量)、カット、クラリティ(透明度)、カラー(色)のそれぞれの頭文字からとったものです。ダイヤモンドをカットする際には、どの角度から見たときに最も美しい輝きを放つかを綿密に計算されます。
ダイヤモンドジュエリーの定番デザインで、時代を問わず全ての人に愛されている正統派スタイルです。セッティング法は、4本や6本の爪留めやベゼルセッティングなど、ダイヤモンドの大きさやジュエリーのスタイルによって異なります。クラシカルで年齢を問わず、プレゼントにも最適です。婚約指輪として定番ですが、結婚指輪に一粒ダイヤモンドを配したデザインも人気です。一粒ダイヤのネックレスは、プレゼントの定番アイテムとして知られています。
エタニティリングやテニスブレスレットなど、ダイヤモンドを連ねた豪華なデザインです。どの角度からもダイヤモンドが大きく輝くので、とても華やかな印象です。存在感があり、日常使いから華やかなシーンまで様々な装いに合わせることができます。
メレダイヤモンドをびっしりと敷き詰めて、豪華な輝きを主張したデザインです。ゴージャス感があり、パーティなどの席でも美しさが引き立ちます。動物や植物のモチーフにパヴェセッティングが施された造形美のあるデザインも魅力です。
可愛いモチーフにダイヤモンドを配したデザインです。ダイヤモンドは一粒から複数までさまざまです。愛情や幸福を象徴するハートやホースシューなどのモチーフにダイヤモンドを配したデザインは、プレゼントやペアジュエリーとして定番人気があります。
世界で最初にダイヤモンドが発見されたのは、古代インドでした。当時はダイヤモンドをジュエリーとして加工せず、ヒンドゥー教の神の目に嵌めるなどして崇高な存在として扱われていました。古代インド人たちは高技術でダイヤモンドを研磨しており、グレートムガルやシャーと呼ばれるカットが施されていました。
14世紀になると、インドからヨーロッパへダイヤモンドが輸出されます。15世紀になると研磨技術が向上し、テーブルカットやローゼンツカットが誕生します。16世紀にはファセット面が多く、バラの蕾に似たローズカットが生み出されます。後にブリリアントカットにつながることになる、マザランカットが誕生しました。
さらに17世紀末には、ファセットが58面あるオールドマインカットが生まれ、やがて丸形をしたオールドヨーロピアンカットへと発展します。そして1919年には、ベルギーのカット職人マルセル・トルコフスキーによってラウンドブリリアントカットが開発されます。ダイヤモンドの3つの要素「ブリリアンシー」「ファイアー」「シンチレーション」を最大に引き出すため、綿密な計算の上発明されたカット方法です。
後にオーバル、ペア、ハート、マーキス、プリンセスなどファンシーカットが開発されました。現在は研磨機器やカット職人の技術の向上により、より繊細で華やかなカットが発明されています。
14世紀にダイヤモンドがヨーロッパに運ばれ、研磨技術が発展するとともにダイヤモンドがジュエリーとして使用されるようになりました。ダイヤモンドは希少で高価なことから、王侯貴族や神職者のみが身に着けるものとされていました。世界で初めてダイヤモンドの婚約指輪が贈られたのは、1477年だと記録されています。後にローマ神聖皇帝となったオーストリアのハプスブルク家のマキシミリアン大帝が、ブルゴーニュ帝国シャルル勇胆公の娘マリアに贈ったものです。
1866年に南アフリカのキンバリーでダイヤモンド鉱山が発見されるとともに、世界中でダイヤモンド需要が一気に上昇します。世界的に有名な宝石企業や宝飾ブランドにより、ダイヤモンドを配した婚約指輪を贈る習慣が一般的に広まります。 やがて一般の女性たちも気軽にジュエリーを身に着けるようになり、ダイヤモンドを配したネックレスやリング、イヤリングなど様々なデザインのダイヤモンドジュエリーが製作されるようになりました。
ダイヤモンドジュエリーの価格は、ダイヤモンド原石の価格にジュエリーのデザインや加工費用、中間流通コスト、さらにブランドの付加価値などで決定します。ダイヤモンドの価格は4C(カット、カラット、クラリティ、カラー)の評価によって価格が異なります。例えば1カラットのダイヤモンドが二つあった場合、無色透明に近くカットバランスに優れたものほど評価が高く、高値になります。
ダイヤモンドの相場は、「ラパポート」が毎週公開するダイヤモンド卸売価格の指標を参考にして決定します。世界中の卸売業者が参考にするため、一定した価格で取引することが可能となるのです。 ダイヤモンドをジュエリーに加工する際には、デザイン料や職人による加工費などがかかります。さらに小売店で販売する場合には、卸業者からの中間コストなどもかかります。世界的に有名な高級ブランドであれば、ブランド名の付加価値が付いています。このようなコストを考慮したうえで、ダイヤモンドジュエリーの価格が決定されます。
例えば1ctでグレードが全く同じのダイヤモンドを使用したジュエリーでも、ショップやブランドによって価格に大きな差が出る場合があるのです。グレードの高いダイヤモンドが欲しい場合には、ルースから選んで直接職人さんにジュエリーを製作してもらうのも一つのアイデアです。小売店販売におけるコストが省かれるうえ、デザイナーや職人さんと直接対面して、自分の希望に合ったダイヤモンドジュエリーを作ることができるというメリットもあります。
ダイヤモンドジュエリーは、女性なら一つは持っていたい永遠の憧れの宝石です。あらかじめダイヤモンドに関する知識を学んでおくことで、次世代へも継承できるダイヤモンドジュエリーを見つけることができるでしょう。
この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
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高嶋 真紀
※松屋銀座店では、品質管理やサービス向上のため、修理やカスタム加工を承ることができる範囲に制限がございます。 そのためお品物によってはご依頼を承ることができない可能性がございます。
夢仕立では、お預かりしたお品物を、運送中と、加工中と、そしてお預かり保管中の、全ての行程において保険が適用されております。これは夢仕立てのみに適用が認められた保険で、他社での適用はございません。
夢仕立のお預かりシステムのみが保険を適用するに値すると保険会社で認定され、信頼され、認可されています。
英国宝石学協会特別公認企業(The Gemmological Association of Great Britain Gold Corporate Member)とは、FGAディプロマの資格を持った者が複数名在席し、その組織において英国宝石学協会の水準の教育を行っているということを認められて与えられる資格で、夢仕立工房を運営する株式会社ライム商会は、宝石の鑑定鑑別機関以外の組織でFGAディプロマが複数名在席する数少ない組織です。
株式会社ライム商会では英国宝石学協会の宝石学に基づき、全スタッフが世界最高峰の水準の教育を受けています。
またそれだけにはとどまらず日々進歩し続ける宝石学の情報をいち早く本部から伝達され、お客様へのサービスへと繋がる様研鑽を重ね続けております。
夢仕立では、お客様のご予算に合わせた提案を第一に考えます。デザインやご予算のお話を伺いながら様々なアイディアを出し、ご希望のデザインを実際に製作する実物大で設計図としてデザイン画を製作致しますので、出来上がったお品物とイメージとの差を極限まで小さくします。
また、お客様がご納得するまで、何回でもデザインのご提案を致します。時にはデザイン画の作成が20回を超えることも有りますが、お客様の人生において1つしかない大切なジュエリーの製作に手間を惜しむことはありません。
様々な方法でご希望のデザインコンセプトを生かし、強度を低下させないように工夫して、手作りであっても価格を抑えます。オーダーメイドジュエリーの加工工程や、オリジナルデザインのことなど綿密にお打合せをさせていただきますで、ご安心下さい。
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