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ボルダーオパール

ボルダーオパール

ブラックオパールとボルダーオパールの違い

この二つの最大の違いは、オパールが形成される環境、つまり産地です。長い年月をかけてオパールが出来る過程で、環境下によりブラックオパールとボルダーオパールの違いを生み出します。

ボルダーオパールが生まれる環境は鉄鉱石が多く存在し、茶色い鉄鉱石が混じります。
ブラックオパールが生まれる環境は黒っぽい粘土層が多く存在し、黒い“ポッチ”と呼ばれる母岩が混じります。

これがブラックオパールとボルダーオパールの違いです。 また、ブラックオパールは、Lightning Ridge(ライトニングリッジ)でしか産出されず、ボルダーオパールはクイーンズランド州でしか産出されません。 今回はそんなボルダーオパールの産地を訪ねてみました。

ボルダーオパールのリフォーム事例

WGボルダーオパールのタイタック リフォーム前

Before

ボルダーオパールのK18ペンダント リフォーム後

After

ボルダーオパールのタイタックをシンプルなペンダントへリフォーム

東京都のS様。WGボルダーオパールのタイタックをK18ペンダントにリフォーム。オーストラリアでご購入とのこと。 タイタックはする機会が少ないので、奥様のペンダントにとのことでした。 オパールの班が綺麗でしたので、シンプルに作らせていただきました。 【事例:AN756】

ブラックオパールのリフォーム事例

ブラックオパールのリング リフォーム前

Before

ブラックオパールのリングのヘッド部分を生かしたペンダントヘッド リフォーム後

After

ブラックオパールのジュエリーリフォーム

ブラックオパールを使った指輪やネックレス等のリメイクの製作事例

ボルダーオパールの原産地

ボルダーオパール鉱山物語

ボルダーオパールはクイーンズランド州でしか産出されません

オパールの商業的産地として有名なのはメキシコとオーストラリアです。オーストラリアでは場所によって産出するオパールの種類が違います。最初にボルダーオパールが発見された場所はロングリーチの近くのブラックコールと聞いていますが、現在採掘されている場所は、ロングリーチの更に西、ブリスベンから約1500キロ西方のウイントン(Winton)市を中心とする場所です。ただし、実際の鉱山はと言うと更に南方の奥のクイルピー(Quilpie)、ヨワ(Yowah)、オパールトン(Opalton)などアウトバックの町まで行く事になります。しかしここは町ですので、実際の鉱山は更にアウトバックを奥深く入ることになります。人の生活を拒否する過酷な環境ですので、4月~9月の涼しい時期にしか立ち入る事は出来ません。


アウトバックの奥地でのキャンプ生活を含めた約2週間の取材旅行

ウイントンは、貧しい労働者がやむなく泥棒を働いて、追いつめられて自殺するというストーリーの歌「ワルチング・マチルダ」(Waltzing Matilda, 日本語では「ウォルシング・マチルダ」などとも表記される)をバンジョー氏が初めて披露したのがこの地だと言うことで有名です。ちなみに10ドル札に印刷されている人物は、このバンジョー・パターソン氏だそうです。

今回の鉱山訪問は、ボルダーオパールの採掘権を所有しているクルッピー社のバートン社長からボルダーオパール鉱山の現状を知ってもらい、正しいボルダーオパールの啓蒙を計ると共に、日本とオーストラリアの貿易促進を高める為に、JETRO(日本貿易振興会)を通じて全国宝石学協会に鉱山の取材依頼がなされたことから始まりました。

当時私依田は、青山のNHK文化センターにて一般の方を対象とした宝石学の講座を受け持っており、同時に全国宝石学協会にてプロの為の宝石学講座を受け持っておりました。

全国宝石学協会から依頼を受けた私は、当時徳間書店のジュエリー月刊誌「キラ」の編集長でした山下耕二氏、ジュエリーデザイナーの田村俊一氏、そして今は亡きカメラマンの三谷氏に同行取材の要請をさせて頂き、総勢4人での訪問となりました。出発はオーストラリアの冬の季節7月です。


ブリスベン

7月初頭、オーストラリアのブリスベンに到着

ブリスベンは、古い建物が大切に残されている街です。


ボルダーオパールの原石

ボルダーオパールの原石

チェックイン後早速に、ブリスベンにあるクルッピー社を訪問いたしました。 壁面、床、壁と一面にボルダーオパールの原石が敷き詰められています。


ウエルカムディナー

ウエルカムディナー

あすは早朝より約10時間の長旅ですので、早々に切り上げましたが、牡蠣は本当に美味しかったです。


ボルダーオパール鉱山物語

次の日早朝より軽飛行機に搭乗して、鉱山の近くまで飛びます。 よくご覧になると、翼に継ぎあてがあるのがわかります。 これにはビックリ!でも当たり前の光景だそうです。


ボルダーオパール鉱山物語

機内でサンドウイッチの朝食を食べた後、ふと操縦席を見るとパイロットが見当たりません!操縦桿が遊んでいます。なんと横向きでゲームをやっていました。 大丈夫なのか?と聞きますと、「周りを見てごらん。全部滑走路だよ!どこでも、いつでも降りられるよ。no problem」と何事もないかのようにゲームに夢中になっていました。確かに下は全て荒野。どこでも降りられます。


ボルダーオパール鉱山物語

途中給油で30分位の休憩をはさみ、約4時間の飛行の後CHARLEVILLE(チャービル)近くの農家(牧場主の家屋)の脇(自家滑走路)に降りました。charleville空港ではありません。聞くと、パイロットの友人で、近くに来た時は必ず、こうして立ち寄るのだそうです。この辺の農家は皆自宅脇に滑走路(広い砂利の道路)を持っているとのことです。雨水を飲料水などに利用するため、農家の屋根は大きく、水を蓄えるタンクもありました。手紙や必需品もついでに運びます。こうして荒野に暮らす人々はお互いに気遣っているのだそうです。お茶をご馳走になりました。軽飛行機とはここでお別れです。ここからはバートン社長が運転するランドクルーザーで鉱山を目指します。ここから約8時間オフロードのドライブです。


途中の鉱山

途中の鉱区に立ち寄りです。何しろ荒野ですので、何があっても不思議ではありません。ちかくに来た時は必ず立ち用ってお互いに融通しあい、無事を確認し合うのが礼儀だそうです。


ブッシュ

道なき道をひたすら走る、走る。車は上下左右に激しく揺れます。ジャンプの連続です。しっかりと手すりを掴んでいないと頭を天井や窓に打ち付けることになります。 時々牧場の柵が現れてきます。その時は一旦車を降りて、柵を開けて中に入り、動物が逃げぬように柵を締め戸締りして、また走ります。つまり色々な人の牧場の中を突っ切るのです。このときは牧場ですので、ゆれは多少楽ですが、道路ではありません。牧場を抜けると今度はまた荒野です。アウトバックのど真ん中を走ります。


スピニフェックス

写真には、すすきのように見える細い草のようなものが写っていると思います。これは後後我々を困らした「スピニフェックス」という草です。草といても固くて簡単には折れません。その外皮は鋭い刺だらけです。誤って踏むと、靴の底を突き抜ける程鋭いドゲが全面に生えています。


掘削跡 ボーリング

夜遅くキャンプに到着しました。 いよいよ今日から本格的な鉱山めぐりです。クルーピー社の鉱区は広く、複数の場所で採掘をしています。 先ず、大まかな地層を把握するために、ボーリングをします。


トレンチカット

このボーリングで得られた地層のデーターを基に10m~20m間隔でパワーショベル等でトレンチ(塹)を掘ります。


ブルドーザー

トレンチカットで開削面に現れたオパール層を切り出すために、ブルドーザーで先ず表土を剥ぎ取ります。次にトレンチに現れたオパール層と隣のトレンチのオパール層を繋ぐように、ブルドーザーで開削して土砂を取り除き、穴を掘り下げていきます。すると、深い穴の中にオパール層が壁面となって現れてきます。


オパール層

現れたオパール層です。


ボルダーオパール原石

ボルダーオパール原石発見


鉱脈 オパール発見

オパール層の中からオパール母岩(Boulder)を取り出します。Boulder(ボルダー)とは正にその名のごとく丸い珠です。ラクビーボールやバスケットボールの様な球状になって現れます。ボールの大きさは大小様々です。運がよければ、この中にオパールが含まれていますが、割ってみなければわかりません。


オパール層

ボルダーを割って中のオパールの品質を確認します。


現場監督

オパールの品質を見極めつつ、採掘方針を決定して行きます。掘削場所は整然と並んでいりわけではありませんので、慎重に決めていきます。鉱区長と相談しているバートン社長です。


昼食

アウトバック荒野のど真ん中で昼食です。 何しろなにもありません。全部自分たちで用意します。キャンプのトレーラーから全てを運んで来ます。


ボルダーオパール鉱山物語

昼食をいただいた場所は旧鉱区跡のすぐ脇でした。旧鉱山は全て埋め戻しますので、従って、整地された場所があります。現在の鉱山で以前採掘した跡地は「水の溜まり場」になっています。この水はどこから来たものか?雨水がたまったものとか?鉱山の鉄分が影響しているのか、淡い茶色をしています。生活や鉱山に必要な全ての水を、この水でまかないます。


ボルダーオパール原石

採掘現場で発見されたボルダーはキャンプ場に運びます。その後、品質別に大まかな選別をします。


ボルダーオパール原石

特別にバートン社長が奥から持ってきた有望な大きなBoulder(ボルダー)です


ボルダーオパール原石

特別に割ってみることになりました。果たしてオパールは出てくるでしょうか? ボルダーの中から綺麗なオパールが出てきました。 このようにして、ボルダーからオパールを回収するのですが、これは現場ではいたしません。ウイントンの現地工場に運んで行います。


キャンピングカートイレ

キャンプ場での生活は相当に大変です。夏場は灼熱地獄ですので、よっぽどのことがない限り、アウトバックは立ち入り禁止です。冬場しか立ち入り出来ません。近くの人家まででも車で1時間~2時間かかりますから不慮の出来事が起こらないように、アルコール類は持ち込み禁止です。今回のキャンプ場ではトレーラーハウスが3台ありました。1台は主に食事関係の車です。1台は寝床の車です。1台は打ち合わせなどの事務や重要物保管の為の車です。シャワーもトイレも外、つまりアウトバックの野外にあります。特にトイレはブッシュをかき分けた茂みの影にあります。これが大変なのです。前述しましたトゲトゲの「スピニフェックス」の茂みの影にありますので、街灯等は皆無です。昼はまだしも、夜は星明りしかありません。懐中電灯を持って外に出ます。方向を間違うとトゲに襲われます。イタイのなんのって、全員その洗礼を受けました。


食事

食事は食堂車でいただきます。大きなパン(直径60Cm位のアルミの皿)に色々な食材が山盛りにもられているワンプレート皿です。最初は多すぎて食べきれなかったものですが、アウトバックの生活はかなり体力を消耗するものですので、帰る頃には全員おかわりするくらいになりました。


食事

最後の食事風景の写真はキャンプ初日のディナーの写真です。ペットボトルに入っているオレンジジュース?らしきもの、じつは水です。そうです、あの掘削跡地に溜まった水です。灼熱のため菌すら生存できないので、そのまま生で飲めるのです。薄茶色は周りのミネラルが溶け込んでいるためとか、とてもとても美味しい水です。


夜景

キャンプ場の夕景です。真っ赤に染まった大地がどこまでも続きます。地平線まで延びた自分の影を見たときはビックリすると同時に大感激しました。


蟻塚記念撮影

鉱山の周囲を探索しました。といってもご覧のとおり、見わたす限りアウトバックです。荒野とブッシュと蟻塚です。360度同じ風景。目印になるものは何もありません。


地上絵とスピネフェック地上絵とスピネフェック

キャンプ場からウイントンへ向けてボルダーを運ぶ途中、荒野で車が動かなくなりました。運転手が助けを呼びにキャンプまで徒歩で戻ることになりました。「危険なので、絶対ここから動いてはダメ」と厳命された私たちは約3~4時間、アウトバックのど真ん中に取り残さてました。なんと心細いことか。トイレのために少し車から離れ茂みで用を足して立ち上がると、車も人もブッシュに隠れて見えません。360度全く同じ風景ですので、全く方向がわかりません。話し声を頼りに方向を探ります。アウトバックの恐ろしさを垣間見た思いです。
ただ待つだけで何もすることの無い暇な我々は、オーストラリアの大地にナスカの地上絵を描こうというになりました。


温泉

アウトバックは、大体の場所が、雨が降れば洪水に、降らなければとことん渇水となる地域ですが、ウイントン近くには満々と水を湛えたクリークや温泉が流れ川がありました。ウイントンは温泉が出るのでも有名ですが、温泉として利用しているのではなく冷まして飲料水にしているようです。臭くないのでしょうか?


ウイントン

ウイントン、人口1000人程度の小さな町ですが、アウトバック拠点の町の一つとして有名です。また、オーストラリアの非公式国家「ワルチング・マチルダ」発祥の地としても有名です。


ウイントンの食事

10日ぶりに町での宿泊と食事です。食事はご覧のとおりキャンプ場とあまり変わりません?


クルッピー社の工場

ウイントンのクルッピー社の工場です。運び込まれたボルダーが山積みされています。圧巻です。


ボルダーオパール鉱山物語

原石の切り出しです。ボルダーの中に潜んでいるオパールを無駄なく切り出します。この作業いかんによって最終製品に影響いたしますので、相談しながら慎重に作業しておりました。


ブリスベン乾杯

早朝ウイントンを出発、ランドクルーザーで延々とドライブです。約1400キロを1日で走破します。皆言葉もなくグッタリ!
辿りついたブリスベンのホテルで今回のアウトバックの旅の無事を祝って乾杯です。


クルッピー社

翌朝クルッピー社で今回の鉱山訪問の報告会が開催されました。各々の立場での貴重な意見が飛び交います。


ボルダーオパール鉱山物語

当日はなんと、バートン社長の誕生日でした。皆で誕生祝を行いました。バートンご夫婦もごらんのとおり喜んでおられました。


ゴールドコースト

今回の視察旅行は無事終わりました。帰りにゴールドコーストに立ち寄りました。夏とは違い、冬ですのでビーチもすいていました。

オパールの貴重な原石

バートン社長が直接採掘した色々な鉱山の貴重な原石です。場所により様々な形状、形態でオパールが産出していることが判ります。


エルヴォマイン

エルヴォマイン

比較的硬い固まりになって産出することが多い鉱区です。
見事な大きなボルダーです。断面からマトリックスオパールが除いています。


カーバインマイン

カーバインマイン

大きな青斑のオパールを算出します。


ジプサムマイン

ジプサムマイン

細い割れ目に沿ってオパ-ルの産出が見られます。


ジャクソンズマイン

ジャクソンズマイン

ジャクソン牧場にて発見された鉱山です。良質のオパールが算出しています。
二つに割ると中から見事なオパールが出てきました。


シンクラッカーマイン

シンクラッカーマイン

岩石が硬い鉱山です。良質のオパールを算出します。赤斑のオパールも算出します。


ナッツフォームオパールマイン

ナッツフォームオパールマイン

同心円状に木の実の様な形状で多く産出します。


パンケーキマイン

パンケーキマイン

ボルダーがパンケーキの様な形状で多く産出するそうです。


ベジタブルマイン

ベジタブルマイン

点々とオパールが点在する鉱区です。


これらの原石サンプルは貴重な資料ですので、一部を全国宝石学協会、と宝石学会(日本)の複数の大学に寄贈させて頂きました。また一部は当社にて展示しております。お越しの節は是非ご覧ください。

資格会員ディプロマ FGA 依田 光弘

この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 代表取締役社長
依田 光弘


※松屋銀座店では、品質管理やサービス向上のため、修理やカスタム加工を承ることができる範囲に制限がございます。 そのためお品物によってはご依頼を承ることができない可能性がございます。


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