天然石ジュエリー・アクセサリーをハンドメイドする為の知識

天然石ジュエリー・アクセサリーをハンドメイドする為の知識

天然石ジュエリーは、女性ならひとつは持っていたい憧れのアクセサリーです。お気に入りの天然石を見つけて、自分でハンドメイドするのも素敵ですよね。 天然石ジュエリーをハンドメイドする前には、まず自分に合ったレッスン方法からデザイン、材料、費用、販売方法などについて調べておくのがおススメです。このページでは、天然石ジュエリーをハンドメイドしたい方のために必要な情報をご紹介しています。

「天然石ジュエリー」と呼ばれるアクセサリーの種類について

天然石ジュエリーと呼ばれるアクセサリーとは、一般的にどのような種類のものがあるのでしょうか。こちらで詳しくご説明していきます。

アクセサリーとは

アクセサリーとは、身に着ける装身具の全てを指します。帽子、髪飾り、ベルトから、指輪、ネックレス、イヤリング・ピアス、ブローチ、ブレスレットなど身を飾るものすべてがアクセサリーの種類に入ります。中でも真鍮や合金、ガラスなど安価な素材を使ったものは、アクセサリーと呼ばれています。 英語の「Accessoriy」は、基本のファッションにコーディネートとしてプラスするアイテムを指し、それによって全体コーデを完成させるものという意味があります。

ジュエリーとは

ジュエリーは指輪、ネックレス、ブレスレット、ブローチ、イヤリング・ピアスなどを指します。一般的には貴金属や天然の宝石を使用したもので、資産価値のあるものです。しかし、海外では貴金属以外の素材で作られたものも全てジュエリーと呼んでいます。 ファインジュエリーやハイジュエリーと呼ばれるものは、上質の素材を使用し、高度なデザインと技術で時間をかけて製作されるため、高い価値が付いています。日本では10金素材を使用したものを、ライトジュエリーと呼んでいます。 コスチュームジュエリーやファッションジュエリーは、貴金属以外の地金を使用したものです。合金や真鍮、ガラス、プラスチック、レザー、布、紙、レジン、ビーズなどを素材にして、身近におしゃれを楽しむために作られています。 アンティークジュエリーやヴィンテージジュエリー、モダンジュエリーと呼ばれるものは、時代や製作者によって素材はさまざまです。こういったことから、素材に関わらず、指輪やネックレスなどの種類は大まかに「ジュエリー」に分類されているようです。

天然石ジュエリーをハンドメイド

天然石ジュエリーの手作りが初めての方や、技術を磨きたい方はレッスンを受けるのがおすすめです。まずは、自分のライフスタイルやスキルに合った教室を探してみましょう。

教室でレッスン

天然石のジュエリーやアクセサリーをハンドメイドするために、材料の選び方や作り方をしっかり学びたい、という人にはレッスンがおすすめです。教室に通うと、天然石ジュエリーのプロから直接作り方を教授してもらえます。同じ趣味を持った仲間と情報交換もする機会も出来ます。

ジュエリー学校/彫金教室

金属を切ったりヤスリで削ったりしながら、本格的にジュエリーを製作する彫金が基礎から学べます。バーナーやロウ付け、石留めなど、ジュエリー職人としての技術も身に付きます。貴金属を使ったジュエリーを作りたい人や、ジュエリー職人になりたい人、自分で工房を開きたい人などにおすすめです。

天然石ジュエリー教室

アクセサリーパーツやワイヤー、マクラメ織りなどを使用して、天然石アクセサリーを作る技術を学べます。単発コースから参加可能で、初心者~上級者コースまで技術に合ったレベルが選べます。1回のレッスンで作品を1個以上製作できるので、アクセサリーを気軽にハンドメイドしたい人や、身近な素材で手作りしたい人におすすめです。

本やインターネットで学ぶ

本やインターネットで作り方を見ながら、独学で天然石ジュエリーやアクセサリーを作ることも可能です。専門誌やインターネットのハンドメイドサイト、動画では、材料や作り方を詳しく教えています。空いた時間を利用してアクセサリー作りを学べるので、忙しい方にもおすすめです

ハンドメイドアクセサリー素材の販売サイトなどでは、材料別の作り方を詳しく説明しています。天然アクセサリーキットには材料が全て揃っているので、初心者の人や材料を手軽に揃えたい方などにおすすめです

材料やパーツを揃える

天然石ジュエリーの材料やパーツは、専門店で購入しましょう。ハンドメイド材料やクラフト専門店では多くの種類を揃えていますが、簡単な素材であれば100円ショップでも入手できます。忙しかったり近くに店舗がない場合には、オンラインショップでの通販がおススメ。ひと味違う材料を探したり、海外から天然石を購入することも可能です。

天然石ジュエリーの作り方について

天然石ジュエリーは、製作方法もさまざまです。作業できる時間や場所、スキルなどを考慮した上で、製作方法やデザインを考えましょう。

彫金で製作

金属や真鍮などの素材を一からカットして磨き、天然石をセッティングして製作する方法です。天然石はカットされたルースから原石、ビーズなどさまざまなシェイプを使用できます。材料費や時間がかかりますが、長く使える本格的な天然石ジュエリーが製作できます。

アクセサリーパーツで製作

ハンドメイド材料店で販売している、アクセサリー用のパーツに天然石を付けて作るアクセサリーです。天然石をリング台に接着剤で貼りつけたり、穴の開いた天然石をネックレスに繋げるなど作り方も簡単です。天然石のビーズやパールを連ねるなど、幅広いデザインで製作できます。天然石は原石、ルース、ビーズのどれでも使用できます。

ワイヤーラップ

ゴールドやシルバーフィルドのワイヤーで、天然石を巻き付けたアクセサリーです。原石の美しさをそのまま生かしながら、ワイヤー一本で個性的なアイデアの作品が出来上がります。天然石は原石のままを使用するのが一般的です。天然石とワイヤーがあればできるので場所を取らず、費用も安く抑えられます。

天然石ジュエリーを販売する

天然石ジュエリーを作ったら、自分で身に着けるだけではなく、ショップで販売してみましょう。製作や出品にかかる費用を計算して、アイテム価格を設定してくださいね。

オンライン・アプリ

オンラインやアプリの販売サイトでは、誰でも簡単にハンドメイドの天然石ジュエリーを販売できます。商品は1点から出品可能なので、自分のペースで販売できます。利用料はほとんどが無料ですが、サイトによっては手数料や振込手数料が異なります。人気のサイトは、minnne(ミンネ)、 Creema(クリーマ)、 iichi (イイチ)、tetote(テトテ)です。

イベントで販売

ハンドメイドのイベントやフリーマーケットなどに出店して、実際に接客販売する方法です。お客さんからの反応が直接分かるうえ、他の出店者の作品を見たり作家さんと交流することもできます。イベント会場に出店するには出店料がかかり、会場によっては自分でテーブルや椅子などの準備をする必要もあります。ある程度の商品数を揃えて、値札やお釣り、ランチなども用意しましょう。

委託販売

雑貨屋さんやデパートなどスペースに作品を置かせてもらい、販売する方法です。直接店舗に出向いて交渉する必要がありますが、店や立地条件によっては、大きな売り上げを期待することも可能です。商品に値札を付けてお店にディスプレイしてもらい、販売を委任する形で、店によって委託料や販売手数料が異なります。

「天然石」と呼ばれるアクセサリー素材の代表的な宝石について

こちらでは、天然石ジュエリーの素材として人気のある、代表的な宝石17種類をご紹介していきます。

ルビー

赤い色の代表的な宝石です。鉱物コランダムに属し、硬度が9とダイヤモンドの次に硬いことから耐久性に優れています。鮮やかな赤色をしたピジョンブラッドは最高品質と評価され、高い希少価値が付けられています。カボションカットにすると6条の線が現れる、スター効果を見せるものもあります。

サファイア

ルビーと同じコランダムに属します。サファイアは色の種類が豊富ですが、一般的に青色のコランダムをサファイアと呼びます。最高品質はカシミール地方産のコーンフラワーブルーです。6条のスター効果を見せるものや、光源によって変色するカラーチェンジサファイアなどがあります。

エメラルド

緑色の宝石で、鉱物ベリルの一種です。内部に傷やひび割れ、内包物などが多いため、ほとんどがオイル含浸処理を施されています。もろい性質を持つので、衝撃を避けるなど取り扱いには注意が必要です。クレオパトラが愛した宝石としても知られています。

アクアマリン

名前の通り、海水のような清涼な青色をした宝石です。エメラルドと同じベリルの仲間ですが、エメラルドとは反対にインクルージョンや傷が少なくて強靭であることが特徴です。見る角度によって無色から青色に見える二色性を持ちます。

アメシスト

水晶の仲間で、紫色からふじ色をしています。色の濃淡はさまざまで、見る角度によって紫色が青や赤味を帯びた紫色になる多色性を持ちます。大きめのサイズが多く、特有のさざ波のような縞模様や羽毛状のインクルージョンを内包しています。

シトリン

アメシストと同様に水晶のひとつで、黄色や黄金色をしています。シトリンという名前は「柑橘類」という意味のcitrusが由来とされます。天然シトリンは色が淡いため、流通しているほとんどはアメシストに熱処理を施して黄色く変化させたものです。

トパーズ

トパーズは青や緑、黄色などが一般的ですが、色のバリエーションは大変豊富です。黄金色のシェリーカラーをしたインペリアルトパーズや、希少なピンクトパーズには最も高く評価されています。青色のトパーズは、ほとんどが無色のトパーズに熱処理を加えたものです。

トルマリン

色のバリエーションが大変豊富な宝石です。赤、ピンク、黄、青、緑、紫色など、ほとんどの色が揃うほど。ネオンブルーのパライバトルマリンや、赤いルベライト、濃青色のインディゴライトには高い価値が付いています。赤と緑のバイカラーを呈するものは、スイカに似ていることからウォーターメロンと呼ばれています。

タンザナイト

タンザニアで発見されたことからタンザナイトと名付けられた宝石で、鉱物ゾイサイトに属します。特徴的なヴァイオレットカラーは、タンザニアの夕焼け空にも例えられています。見る角度によって青、紫、ダークグレーに見える多色性を持ちます。

ペリドット

オリーブグリーンを発色し、オイリーでしっとりとした質感をした宝石です。鉱物オリビン(かんらん石)の中で宝石質のものをペリドットと呼びます。夜光の下で美しく輝くことから「イブニングエメラルド」の異名を持ちます。複屈折率が大きいため、ダブリング効果を見せます。

ガーネット

赤い色が代表的なガーネットですが、実は異なる色の種類を持つ宝石です。赤い石はアルマンディンとパイロープ、橙色はスペサルティンとヘソナイト、緑色はウバロバイトとツァボライトなど。グロッシュラーとスぺサルティンは色の種類が豊富です。

アイオライト

鉱物名をコーディエライトという、紫青色をした宝石です。結晶の伸長方向から見ると青色に、垂直方向から見ると無色に見える、強い多色性を持ちます。太陽光に当てると色が変わることから、その昔バイキングが航路のコンパスとして使用したという伝説もあります。

パール

フォーマルな装いには欠かせない宝石です。天然真珠と養殖真珠、淡水性と海水性に分かれます。真珠が持つ虹色の光沢は「オリエント」と呼ばれています。色は白だけではなく、ピンクや褐色から黒色まで多彩です。酸や湿気に弱く、耐久性の低いので注意して扱いましょう。

オパール

非晶質の宝石で、見る角度によって虹色のイリデッセンスを示す遊色効果を表します。遊色のパターンも多彩で、地色は薄い色から濃い色までさまざまです。オレンジ色をしたファイアオパールは、遊色効果を示しません。傷やひび割れが生じやすいので、取り扱いには注意が必要です。

ターコイズ

世界最古の宝石のひとつで、鮮明なブルーが特徴的です。その昔、ペルシャ産のスカイブルーの宝石がトルコ経由でヨーロッパに運ばれたことから、ターコイズ(トルコ石)と呼ばれるようになりました。模造石が多く流通していますが、天然産はクモの巣に似た内包物があります。

ラピスラズリ

深くて濃い青色に白い方解石や黄金色の黄鉄鉱の細かい斑点を現す宝石で、夜空に星が煌めいたような輝きを見せます。一つの鉱物ではなく、ラズーライト、ソーダライト、アウインなどいくつかの鉱物が集まって生成した岩石です。

ハーキマーダイヤモンド

正式な宝石名はロッククリスタル(水晶)です。ニューヨークのハーキマー地区で産出され、両先端が尖った結晶の形がダイヤモンドに似ていることから、こう呼ばれています。原石のままジュエリーにセッティングされることが多いようです。

最後に

天然石には多くの種類があり、宝石によって取り扱い方もさまざまです。素敵な天然石ジュエリーを作ったら、傷などが付かないように個別に分けて、紫外線の当たらない場所で保管するようにしましょう。こちらの記事を参考に、貴方だけの個性が光る素敵な天然石ジュエリーをハンドメイドして頂ければ幸いです。

資格会員ディプロマ FGA 依田 優子

この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 優子

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