この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
日本宝石協会理事
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 宇弘
高級時計の電池交換は、安易に自分で行ってはいけません。自分で修理すると、時計の価値を下げてしまう可能性が高いです。高級時計の電池交換は、その道のプロに依頼するのがよいでしょう。今回は、高級時計の電池交換をプロに依頼したほうがよい理由を詳しく紹介します。
時計の電池交換はどのくらいの頻度で必要なのか?電池の持ちについてのご質問をよく承ります。 まず、腕時計の電池には「酸化銀電池」と「リチウム電池」の2種類があり、一般的には「酸化銀電池(1.55V)」が使われています。腕時計の電池の持ちは時計のタイプによって異なります。 2針タイプの時計 時針、分針の2針タイプのシンプルな時計は大体、2年から5年ほど持つと言われています。 3針タイプの時計 時針、分針、秒針の3針タイプのオーソドックスな時計は大体、2年から3年くらい持つと言われています。2針タイプの時計と比べると針が一個多いので電池の消費もやや多くなります。 デジタルタイプの時計 デジタルタイプの場合は、「リチウム電池(3V)」を使っている事が多く、酸化銀電池よりも容量が多いため、3年から5年は持つと言われています。ただし、バックライトなどの機能を使うと電池の消費が多くなるのでそれだけ電池の寿命も短くなります。 電池の寿命は、主に使用している電池と時計の構造や使い方によって変わってきます。
・クォーツ時計:900円〜 ・高級ブランド時計:数千円〜 腕時計が動かなくなった際、一番最初に確認してほしいのは電池交換が必要かどうか。大量生産されたクォーツ時計(電池を動力として動く腕時計)であれば、安い場合は1,000円以下で電池交換を行うことができます。一部の高級ブランド時計の中にも電池を使って動くモデルもあり、その場合は少し値段が上がり数千円からの対応となる場合があります。お持ちの腕時計が電池交換を行う必要があるかどうかがわからない場合も、一度ご相談にお持ちいただければと思います。 時計に余計なダメージを与えてしまうのを防ぐため、電池交換をご自身で行うのではなく時計修理店のプロに任せることをお勧めしていますが、特に高級腕時計の場合は傷をつけて時計の資産価値を下げてしまう可能性もあるので、多少コストはかかってもプロに任せましょう。電池交換をしても動かない場合は、内部のパーツが破損しているなど別の要因が考えられますので、オーバーホールなど別のメンテナンスが必要になってきます。
時計というと時間を知るためやファッションとして身に着けるイメージが強いかもしれません。しかし、高級時計はそれらの機能に加え、非常に高い「資産価値」を持っています。時計は機能が衰えても修復することができたり、そもそも劣化しにくかったりするので、資産価値の持続性が高いです。また、高額で需要がある時計は値段が下がりにくいため、まずは時計のデザインや使用感を楽しんでから売ることができます。長期間利用した後に高い値段で売れるという、価値の多様性も高級時計が人気の理由です。だからといって、雑に扱ったりメンテナンスを怠ったりしてはいけません。資産価値を維持したいなら、できる限り本体や機能の劣化を防ぐ必要があります。 盤面やボディにはっきりと目立つ傷があると、資産価値が下がってしまう可能性があるでしょう。また、単純にデザイン性も損なってしまうので、アクセサリーとしても見栄えが悪くなる可能性が高いです。また、自分で電池交換を行うと、時計の状態が更に悪くなってしまうリスクがあります。半端な技術で手を加えると、電池交換だけではなく部品も交換するはめになってしまうかもしれません。時計の点検や修理は、専門店に依頼することが大切です。専門店に依頼すれば、確かな技術で時計を直してもらえるだけでなく、さまざまなサービスを受けることができます。 高級な時計の場合、自分で電池交換をするとリスクがあると言う事を念頭に入れておきましょう。
一般的な時計は、少しの水分になら耐えられる、いわゆる「生活防水」機能を持ったものが多いです。しかし、高級時計は質が高くなるほど防水性にこだわっており、頑丈に作られています。その分、修理や点検には専門的な技術を用いなければなりません。例えば、「ロレックス」や「オメガ」の様な高級時計の電池を交換する際には、確かな技術で開閉し、隙間を作らないようにする必要があります。半端な技術を用いるとわずかに隙間が生じてしまい、防水機能が役に立たなくなってしまう可能性が高いです。とくに、時計が水没した場合は内部に水が一気に流れ込んでしまい、壊れてしまうことがあるでしょう。また、内部に水分が入らないよう、湿度を保つことも重要です。 電池交換をする際に湿度が高すぎると、時計内部に少しずつ水分がたまる可能性があります。しかし、適当な湿度を判断するのは素人には難しいでしょう。専門店に依頼すれば、最適な環境で時計を直してくれるため、湿度の心配をする必要はありません。さらに、専門店に依頼すれば修理や点検と同時に防水テストも行ってもらえます。時計を修理した後は、きちんと本来の機能が働いているかチェックすることが欠かせません。しかし、個人で防水性をチェックするのは難しいため、自分で修理しても、いざ水に濡れたときに機能が働かないことが判明する可能性があります。専門店に頼めば最新の方法で性能チェックを行ってくれるため、安心して時計を使うことが可能です。 高級時計の性能チェックを、ホームセンターや量販店に依頼してはいけません。ホームセンターや量販店に依頼すると、専門的な知識のないスタッフに対応されてしまうことがあります。高級時計の性能チェックには高い技術と知識が必要となるため、専門性を持たないスタッフが手を加えると本来の機能を発揮できなくなる可能性が高いです。場合によっては、時計そのものが故障してしまうことも少なくありません。高級時計の価値を保つために、点検は専門店に頼むことが大切です。
時計の電池を交換するには、裏蓋を開ける必要があります。裏蓋の種類は、スクリュー式、ネジ式、こじ開け式の3つです。スクリュー式は「スクリューバック」とも呼ばれ、「スクリューバックオープナー」と呼ばれる専用の道具が必要になります。スクリュー式時計の裏版にはいくつかの溝があり、そこにオープナーを引っかけて回すと蓋を開けることが可能です。スクリューバックオープナーは通販などで購入することができますが、道具を使って自分で電池を交換するのは容易ではありません。裏蓋の溝を見つけるのが少し難しく、またしっかりと蓋を固定する力加減も重要になってきます。裏蓋を開けるのも閉めるのも慎重に行わなければなりません。 ネジ式時計とは、その名の通りネジで裏蓋が固定されている時計です。複数のネジをすべて回すことで裏蓋を取り外し、電池の交換を行います。ネジを外すには精密ドライバーを用いなければなりません。時計の裏蓋に設置されているネジはとても小さいので、無理に回したりドライバーの種類を間違ったりすると、ネジの溝がなくなってしまう可能性があります。蓋を開けられなくなるとより対処するのが困難になってしまうため、もし自分で修理するなら細心の注意を払う必要があるでしょう。 こじ開け式時計の裏蓋を開ける場合、へらのような工具を使って蓋をこじ開けることになります。裏蓋の隙間に工具を差し込み、ゆっくりと上下に動かしながら蓋を浮かせることが重要です。力加減を誤ると内部の細かい部品などを傷つけてしまい、電池交換だけでは済まなくなる可能性があります。また、腕時計によっては裏蓋と一緒にカバーが付属しているものがあるかもしれません。カバーがついている場合は、裏蓋と同じく慎重に取り外す必要があります。勢いをつけて外すと、機械部分が浮いて針などが取れてしまう可能性が高いです。場合によっては、自分では対処法がわからない状態になってしまうかもしれません。 高級時計は、とくに修理方法が複雑なスクリュー式やこじ開け式である場合が多いです。どの種類の時計にもいえることですが、裏蓋は開けるだけでなく、正しい方法で閉めなければなりません。万が一上手に裏蓋を開けられたとしても、蓋の閉め方に不備があるとまともに動作しない可能性があります。専門家でなければ詳しい内部構造などを把握しきれないため、自分で電池の交換をするのは賢い方法とはいえません。時計を原状復帰させたいなら、職人の技術と経験に頼るのが最も効率が高いです。
時計が動かなくなってしまう大きな原因の1つとして、電池切れが挙げられます。電池を交換することによって、止まる前と同じように機能が発揮されるようになるのです。しかし、場合によっては電池を交換しても時計が動かないことがあります。例えば、電池ではなく内部構造に問題がある場合です。電池ではなく内部の部品などに問題がある場合は、内部のメンテナンスをしなければ時計は動きません。しかし、内部の細かいパーツを修理することは、知識のない人にとっては非常に困難です。専門店のスタッフなら時計の内部に関する知識も豊富なので、安心して修理を任せることができます。 また、もし電池切れだけでなく故障も原因となっている場合、パーツの交換を検討しなければなりません。しかし、電池式の時計はパーツの生産が終了するまでの期間が短い傾向にあります。そのため、量販店やメーカーで必要なパーツを探しても、すでに生産が終了していることも少なくありません。さらに、量販店のスタッフが専門的な知識を持っていない場合、適切なパーツを紹介してもらえない可能性もあります。間違ったパーツを自分で組み込んでしまうと、問題をより複雑にしてしまうかもしれません。最悪の場合、完全に壊れてしまうことも考えられます。 量販店やメーカーで探しても必要なパーツが見つからない場合は、専門店の出番です。専門店なら時計のパーツに関する知識や資料が整っているので、目当てのパーツが見つかる可能性があります。仮に本製品が見つからなかったとしても、専門店なら代替可能なパーツを提案してくれるかもしれません。また、適切なパーツを紹介してもらったら、そのまま修理も依頼するのが賢明です。せっかく正しいパーツが手に入っても、自分で修理しようとすると組み込み方を間違ってしまうかもしれません。専門店でも対応できないほど状態が悪化してしまうことがないように、修理も専門店に依頼することが大切です。
自分で電池を交換すると、お店に依頼するより費用が高くなってしまうかもしれません。自分で電池を交換する場合は、専用の道具を用意する必要があります。そのため、道具をそろえるための費用を用意しなければなりません。とくに、時計が高級品であればあるほど必要な道具の値段も高くなります。時計の種類によっては、電池交換に使う道具をそろえる費用だけでお店に依頼する費用を超えてしまうことになりかねません。道具をそろえて自分で電池を交換をすると、費用がかさんでしまうのです。また、専門の道具を自分で探すのには手間がかかります。時計はいくつもの部品が組み合わさって作られているので、当然必要な道具は1つだけではありません。 すべての道具をそろえるためには、量販店や工具店などを複数回らなければならない可能性が高いです。さらに、量販店や工具店のスタッフが時計に詳しいとは限らないため、適切な道具を用意してもらえないことがあるでしょう。間違った道具で時計をいじってしまうと、パーツの形や順番を変えてしまう可能性があります。パーツが壊れてしまったら、代わりのパーツを購入しなければなりません。そうなると、道具の費用だけでなくパーツの費用まで必要になるので、より修理にお金がかかることになります。自分で電池交換をすると、故障のリスクが高くなるだけでなく、手間や費用も余分に必要になる可能性が高いです。 また、専門店では時計の電池交換に関してキャンペーンを実施していることがあります。キャンペーンを利用すれば、さらに交換費用を安くすることが可能です。自分で電池交換を行うとなるとこうしたお得なキャンペーンは利用できないため、必要費用が多くなってしまうことがあります。専門店に依頼すれば道具を用意する手間が省けるだけでなく、費用が格段に抑えられる可能性が高いです。とくに、電池交換をする時計の価値が高い場合は、専門店で見てもらうのが最もコストパフォーマンスが高い方法になります。
ホームセンターや量販店で電池を交換するメリットは、専門店に依頼するより料金が安くなる可能性が高いことです。ただし、依頼する時計が高級品である場合、交換を受け付けてもらえないことがあります。交換ができない理由の1つとして、高級時計に対応できるほど高い専門知識を持ったスタッフがいないことが挙げられるでしょう。修理を請け負って直せないとなると、クレームにつながったり評判が悪くなったりするかもしれません。中途半端な技術で電池交換するとお店の評価に関わるため、ホームセンターや量販店では対応できない場合があるのです。 もちろん、電池交換に対応してくれる量販店などもあります。しかし、必ずしも専門的な技術を持ったスタッフがいるとは限りません。もし依頼を受けてもらえたとしても、時計に傷が付いてしまうリスクが高いです。また、専門店ではないのに安易に修理を請け負うお店は責任感を持って仕事をしてくれないことがあります。比較的安価な時計の電池交換を依頼するなら、ホームセンターなどでもよいでしょう。専門店に頼むよりも安価で交換ができる可能性は高いので、壊れても支障がない時計なら量販店などに依頼したほうがコストパフォーマンスが高いです。 しかし、高級時計は簡単に買い替えることができないので、慎重に電池交換を検討する必要があります。また、高級時計の電池交換が失敗すると、実用面だけでなく精神面にも悪影響を及ぼす可能性が高いです。やっとの思いで手に入れた高級時計に傷がついてしまうと、メンタルにも傷がついてしまうことが考えられます。普段の生活に影響を及ぼさないためにも、高級時計の電池交換は安心安全の専門店に依頼することが大切です。
高級な時計であるほど、傷がついたときのリスクが高いです。また、高級時計の電池交換には専門の知識や技術が必要になるため、ホームセンターや量販店に依頼するのは賢明ではありません。ジュエリーリフォームの「夢仕立」なら、安心して高級時計の電池交換を頼むことができるので、1度問い合わせてみるとよいでしょう。
電池式の腕時計と異なり、レトロな魅力にあふれるアンティーク時計。家族との思い出や時計にまつわる逸話と合わせて大切にしている人もいるのではないでしょうか。一方で、長年動かしていなかったり、劣化や破損が原因で止まってしまっていたりで、時計として使うのを諦めている方も多いのが事実。古い時計を今以上に楽しんでいただくために、今回はアンティーク時計の修理とメンテナンス方法をご紹介します。また、電池交換もお任せください。
この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
日本宝石協会理事
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 宇弘