この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
山本 菜摘
受験や就活、健康祈願、家内安全…と、新しい年に叶えたい事柄を宣言する方も多いでしょう。開運や願掛けなど、願いを叶えたいという時、お守りになるようなアイテムがあると心強いですよね。開運に結び付く“パワーストーン”にスポットを当て、歴史や石の特徴、アイテムなどをお伝えしていきたいと思います。
古来より、願いを叶えたり健康をもたらすと考えられてきた天然石を総称して、現在では“パワーストーン”と呼んでいます。数多くある天然石のうち、どこからどこまでがパワーストーンであるという決まりは特にありません。貴石も半貴石も含め、宝石全般をパワーストーンと呼んでいます。 パワーストーンの特徴や意味、効果などに関する記述は、古来からの伝説などを元にしており、絶対的な効果を保証するものではありません。パワーストーンはあくまでもお守りのようなものとご理解ください。
ちょっとミステリアスなイメージもあるパワーストーン。開運のためのアイテは、お守りやお札、数珠やブレスレットなどいろいろありますが、お守りやお札よりも古い歴史が、パワーストーンと人類との間にはあります。 パワーストーンは、アクセサリーだけでなく、原石やクラスターもとても魅力があります。天然石は、何万年も年月をかけて作り出された大自然からのギフト。空間の浄化ができて、インテリアとしても楽しむことができます。
美しく希少価値がある宝石。太古の昔から、お守りや装飾品として人々の暮らしに寄り添ってきた宝石は、ただ美しいだけではありませんでした。“石に何らかの特別な力がある”ということを、古代の人々は知っていたのです。宝石と人々の暮らしの歴史を見てみましょう。
人類の歴史と宝石の歴史は、ほぼ同じだと考えられています。その証拠に、古墳からは必ずと言っていいほど、宝石や装飾品が発掘されます。大自然の中で暮らし、常に危険との隣りあわせだった人類の祖先は、恐怖と戦う中で、宝石や装飾品は必需品でした。 硬くて永久に不変である美しい宝石に願掛けをし、身を飾るようになりました。たくさんのパワーストーンのそれぞれに、伝説や言い伝えがあります。「宝石の王様」と呼ばれるダイヤモンドは、15世紀までは女性が身に着けることは禁じられた男性のための宝石であり、戦士が戦の時に身に着けるお守りでした。
“星は神である”と考えられていたことから、占星術をはじめとするいろいろな学問や、さまざまな文明が生まれました。星と宝石を結び付けて、神である星(宝石)を身に着ける者、それが神の声を伝える王です。宝石はお守りであるとともに、権力者の象徴でもありました。王は、星をイメージした王冠やティアラを頭に着け、存在そのもので群衆を惹きつけました。文化や宗教が違っても、神の声を伝える者が宝石を身に着けています。阿弥陀像のネックレスと耳飾りなど、仏教でも高僧が必ず宝石を身に着けています。 そのように、選ばれし者や上流階級でのみ身に着けられていた宝石も、時代の移り変わりとともに世界中の人々に広まりました。
ブレスレット、ネックレス、ペンダント、ピアス、指輪、ストラップ、キーホルダーなどがあります。石の組み合わせやデザインの自由度の高い、パワーストーンのブレスレットが一番の人気アイテムで、種類も豊富にあります。 パワーストーンを身に着けたいけれど、普段のファッションに合わないのでは…という方もいらっしゃるかもしれませんね。フォーマルにもカジュアルにも合うパワーストーンのアクセサリーもありますので、ぜひ探してみてください。自分の好みの石の組み合わせやデザインでオーダーすることもできますので、ご自分だけのオリジナルジュエリーを作るのもおすすめです。 ストラップやキーホルダーなどは、普段アクセサリーを身に着けない方でも、抵抗なく持ち歩くことができます。
水晶玉、原石、さざれ石、クラスターなどはインテリアとして使うことができます。パワーストーンは風水とも縁が深く、部屋ごとに相性のいいパワーストーンがあります。
パワーストーンを選ぶときに最も大切なのは自分の直感です。「なんとなく気になる」という何気ない感覚が、石との巡り合わせを示します。 ご自身の心の声に従って石を選んでみましょう。 パワーストーンと持ち主の間に、エネルギーのパイプのようなものを作ることをイメージしてみてください。エネルギーのパイプが太くなることで、パワーストーンが持ち主の思いを受け止め、共振し、願いを叶えるエネルギーを膨らませることができると考えられます。そのことからも、「直感で感じたパワーストーンが持ち主の持つエネルギーと共振しやすく、願いを叶えるパワーを得やすい」ということになるのです。
パワーストーンの価格は一粒数百円のものから数百万円と幅広く、相場というものがありません。色や大きさ、傷や内包物の有無でランクが決まり、輸入品が多いためその時の為替レートによっても価格が変動します。 デザインや色の組み合わせを楽しむために、気軽に身に着けられるアクセサリーなら安価なものを選んでも良いでしょう。パワーストーンの力を借りて、願いを叶えたいという場合は、天然石の専門店で購入することがおすすめです。
誕生石の起源は諸説ありますが、占星術や旧約聖書の「出エジプト記」のユダヤ教の祭司が胸に着けていた12種類の宝石が起源だと言われています。生まれ月のパワーストーンを身に着けると、身を守り、幸運をもたらせてくれると言われています。誕生石ごとの特徴をご紹介します。
「実りの象徴」であるガーネットは、コツコツと積み上げてきた努力の成果を実らせ、成功に導いてくれると言われています。ストレス解消、血液循環、心臓や肺の働きをサポートしてくれる石です。
「愛の守護石」と言われるアメジストは、恋愛関係や家族関係を良くし、ストレス解消、精神安定など健康面にも効果があると言われています。穏やかな安らぎを与えてくれるスピリチュアルのパワーの強い石です。
「健康、幸福、富」の象徴であるアクアマリンは、持つ人の心を穏やかにし、精神を安定させてくれる石です。別名「天使の石」とも呼ばれ、穏やかな海のような清らかなパワーがあります。
厄除けや、困難を乗り越え目標を達成したい時に優れた効果を発揮してくれる石だと言われています。ストレスやネガティブなものを浄化し、あらゆるパワーや持ち主のエネルギーを増大してくれる石です。
叡智を象徴であり、愛の力が非常に強いエメラルドは、恋愛成就や幸せな結婚のお守りとしても有効だと言われています。ヒーリング効果も高く、精神を安定させ、心身のバランスを整えてくれると考えられています。
母貝から生まれた真珠は強い保護力を持つため、邪悪なものから身を守り、包容力、創造力を高めてくれると言われています。また、心穏やかにしてくれるはたらきもあります。
「宝石の女王」と呼ばれ華やかさがあるルビーは、古くから勝利を呼ぶ石、カリスマ性を高める石だとされています。エネルギー的活力のある石なので、女性がアクティブに生きていくうえで助けとなってくれるでしょう。
ポジティブな力を授ける“太陽の石”ペリドットは、ネガティブなエネルギーを取り除き、ポジティブなパワーを与えてくれます。落ち込みやすい人には心を癒し、前向きに生きていくサポートをしてくれると言われています。
サファイアは人の意志や組織をしっかりと固めるためのサポートをしてくれる石だと言われています。集中力や直感力を高め、チャンスをつかむための助けとなってくれるでしょう。
非常に明るいエネルギーを持つオパールは、人生に幸運をもたらす“幸運の石”と呼ばれています。憂うつを払いのけ、希望に満ち溢れ、周りに左右されず自分らしくいることをサポートしてくれる石です。
未来に希望をもたらせてくれるトパーズは、人の縁や仕事など、持ち主にとって必要なものと出会いをサポートしてくれると言われています。直観力や洞察力を高め、自分にとってなにが本当に必要か…ということに気づきやすくなります。
神秘的なブルーが美しいタンザナイトは、ネガティブをポジティブに、過去からの良くないパターンを良いパターンへと変化させる手助けになる石だと言われています。創造的なエネルギーを持ち、複雑な問題を解決への道へと導いてくれるでしょう。
気の出入り口でもある玄関は、循環を良くしておくと金運がよくなると考えられています。金運と深い縁のあるタイガーアイを玄関に置いておくと良いでしょう。浄化作用のある水晶とも相性は良いです。 ほかにもシトリンやトパーズなど、透明度が高く明るく輝く石を置くと、玄関が明るい気で満たされるでしょう。
一家団欒と交流の場であり、くつろぎのスペースでもあるリビングは、癒し効果のあるグリーンのフローライトがおすすめです。リビングが良い気で満たされ、家族関係や対人関係がよくなると言われています。
火を扱うキッチンは、エネルギーを安定・強化させてくれるガーネットやルビーがおすすめです。火のイメージの赤い石がキッチンと相性が良いそうです。
仕事運や勉強運に関係のある書斎や子ども部屋には、実力を発揮させるためのソーダライトを置くと良いでしょう。集中力を高め、やる気が持続する効果を期待できると考えられています。活力を高めるルチルクォーツも、勉強運や仕事運をサポートします。
癒し効果の高いアメジストは、昼間に消耗した精神を癒し、マイナスのエネルギーを除去する作用が期待できます。
排泄の場所であるトイレは邪気が溜まりやすいので、浄化作用のある水晶を置くことがおすすめです。リラックス効果のあるアクアマリンもおすすめです。
パワーストーンを使い始めたら、できるだけ休息できる特定の場所を作ってあげてください 。アクセサリーならアクセサリーケースなど、置き場所を一箇所に決めましょう。 時には浄化をしてあげることも大切です。日々身に着けていると外部からは様々な気を浴びるので、浄化してニュートラルな状態に戻します。水晶のクラスターやさざれ石などを用意し、そこにパワーストーンを置きます。浄化をするとパワーストーンにパワーをチャージすることができます。
開運に結び付くパワーストーンの楽しみ方をご紹介してまいりました。新しい年になにかに挑戦する方、新しいことを始める方、願いや夢を叶えたい方は、パワーストーンの力を借りてみてはいかがでしょうか?気持ちを込めてお手入れをすれば、必要なものを引き寄せたり、願いをかなえるための手助けをしてくれるのかもしれません。パワーストーンをお持ちの方は、大切なペットのようにかわいがってあげてくださいね。ご自分にぴったりなパワーストーンを見つけたいという方に、良い出会いがありますように...。
この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
山本 菜摘