時計修理の料金について

腕時計修理の料金はいくら? 修理箇所別の価格

お気に入りの腕時計を大切に使っていても、電池切れや経年劣化でいつかは止まってしまうもの。長く使っているからこそできる表面の傷や痛みも、一種の趣ではあるけれど大きな傷はやはりちょっと気になってしまう。一つの時計を長く使い続けるためには修理やメンテナンスが必要になってきます。夢仕立で腕時計を修理した場合の料金を、修理個所別でご紹介していきたいと思います。修理やメンテナンスに出す際のご参考にしてみてください。

腕時計の電池交換の料金について

・クォーツ時計:900円〜 ・高級ブランド時計:数千円〜 腕時計が動かなくなった際、一番最初に確認してほしいのは電池交換が必要かどうか。大量生産されたクォーツ時計(電池を動力として動く腕時計)であれば、安い場合は1,000円以下で電池交換を行うことができます。一部の高級ブランド時計の中にも電池を使って動くモデルもあり、その場合は少し値段が上がり数千円からの対応となる場合があります。お持ちの腕時計が電池交換を行う必要があるかどうかがわからない場合も、一度ご相談にお持ちいただければと思います。 時計に余計なダメージを与えてしまうのを防ぐため、電池交換をご自身で行うのではなく時計修理店のプロに任せることをお勧めしていますが、特に高級腕時計の場合は傷をつけて時計の資産価値を下げてしまう可能性もあるので、多少コストはかかってもプロに任せましょう。電池交換をしても動かない場合は、内部のパーツが破損しているなど別の要因が考えられますので、オーバーホールなど別のメンテナンスが必要になってきます。

ベルトの調整や修理の料金について

・ベルトの長さ、穴の位置の調整:200円〜1,000円程度 ・ピン、パイプ、コマ、中留などの部品修理:部品代+1,500円〜 ・ベルトの交換:ベルト本体代+1,000円〜 (ただしブランド時計のベルト交換の場合、数万円単位となる場合もあります。) 長年使っていると一番劣化が目立ちやすいのが腕時計のベルト部分。直接、腕と接するので皮脂の汚れなどがつきやすいですし、擦れて磨耗もしやすいですね。そんな腕時計のベルト部分の修理は、ベルト自体を丸ごと交換する以外にも壊れてしまった部品の交換で対応できることもあるので、気になることがあれば何でもご相談を承っております。

ベルトの長さ・穴の位置の調整

革製のベルトの場合やスライド式の金属ベルトの場合、穴をずらしたり留め具を緩めてスライドさせたりするなどして腕に合うように調節することができますが、ピン式など調節ができない金属製のベルトは専門店で調節する必要があります。夢仕立ではコマと呼ばれる部品を取ってベルトの長さを調節する場合だと500円〜1,000円程度でご対応可能です。また、革製のベルトに新しく穴を開ける場合であれば1穴200円程度で承ります。

ピン、パイプ、コマ、中留などの部品修理

ベルトに関する部品の修理や交換については、部品代+工賃1,500円程度からご対応可能です。金属ベルトのピンやパイプが取れてしまった場合や、革ベルトの中留が止まらなくなってしまった場合など、ベルトを交換せずに部品のみの修理を行うことができますので、まずは一度、ご相談にお持ちいただければと思います。

ベルトの交換

ベルトの交換は、ベルト本体代+工賃1,000円程度からとなりますが、ベルト素材の種類などよって価格にばらつきがあります。高級ブランド時計の場合、ベルトの交換となると数万円〜10万円以上かかる場合もあるので、ブランド時計のベルト交換を検討している方はまずはご相談いただければと思います。ベルト交換をご自身で行う方もいらっしゃいますが、大切な時計に傷がついてしまう可能性もあるのでプロに任せた方が安全でしょう。

ガラス(風防)修理の料金について

・アクリルガラス:6,000円〜 ・ミネラルガラス:10,000円〜 ・サファイヤガラス:15,000円〜 時計の文字盤を覆っているガラス(風防)は、年月を経て傷がついてしまったり、落としてひび割れてしまったりと、トラブルにあいやすい部品といえるでしょう。そんな腕時計のガラス修理や交換代金は、ガラスの素材によって変わってきます。また、落下させてしまったなど時計に強い衝撃がかかった場合、時計内部までダメージが及んでいたり、割れたガラスが内部に入り込んでいたりする場合もあるので、その場合はオーバーホールなど別の修理・点検が必要となってくるので注意が必要です。

アクリルガラスの場合

「有機ガラス」「プラスチックガラス」とも呼ばれるガラスで、その名の通り、透明なプラスチックや合成樹脂などで作られています。加工しやすいことが最大の特徴で、1940年代から1960年代頃の腕時計に多く使われています。ドーム型で作られることが多く、風防としての強度を上げる工夫がされています。また軽量で加工がしやく、薄くても割れにくい、防水性も高いといったメリットがある反面、樹脂なので傷がつきやすく、太陽の光など紫外線を浴びて変色してしまうなどのデメリットもあります。そんなアクリルガラスの修理・交換は6,000円からとなっています。

ミネラルガラスの場合

「無機ガラス」と呼ばれる一般的なガラスのこと。加工しやすく低コストなので、多くの腕時計に使われているのがこのミネラルガラスです。しかし、アクリルガラス同様、加工しやすい反面、傷がつきやすく他のガラスと比べると割れやすいといった特徴もあります。そんなミネラルガラスの修理・交換は10,000円から承っております。

サファイヤガラスの場合

「サファイヤクリスタル」とも呼ばれる素材で、こちらは厳密に言うとガラスではありません。人工的に作られたサファイヤを加工したもので、非常に硬く、ちょっとやそっとのことでは傷がつくことはありません。そのような特徴から、多くの高級ブランド時計の風防としてこのサファイヤガラスが採用されています。傷に強いというメリットがありますが、加工が難しいこととコスト高な点がデメリットといえるでしょう。サファイヤガラスの修理・交換は15,000円からとなっていますが、ブランドや製品によってはさらに修理コストがかかってしまう場合があるので、まずはご相談にいらしてみてください。

針の取り付けの料金について

・カシメ直しを含む針の取り付け:4,000円〜 腕時計を落としてしまった、または針の取り付け部分が経年劣化により緩んでしまった場合に時計の針が外れることがあります。ただ衝撃によって針が外れてしまった場合の修理は比較的簡単ですが、経年劣化で針の裏にあるパイプ部分(ハカマ)が磨り減ったことによって針が緩み取れてしまった場合はカシメ直しと呼ばれる修理が必要になってきます。修理料金は4,000円から。しかし、針が取れる原因が衝撃や緩みではない場合もあり、原因がわからない場合にはオーバーホールをする必要も出てきます。

リューズの交換の料金について

・リューズの交換:5,000円〜 リューズとは時計の右側面についている丸い突起物のこと。このリューズを回すことで、内部に伸びる巻き芯が周り、ゼンマイを巻き上げて時計の動力とします。また時刻を合わせる時にも使う腕時計になくてはならない大切なパーツです。機械式腕時計の場合、時計を動かすにあたりゼンマイを巻き上げることが必須となり、当然ですが毎回大きな力がリューズと巻き芯にかかります。知らず知らずのうちに負荷が蓄積していた結果、気がついた時にはリューズがなくなってしまっているなんてこともしばしば。そのような理由からリューズは消耗品でと言えるため、定期的に交換するなどのメンテナンスが必要です。内部のパーツと直接つながる部分でもあるのでトラブルに気がついた場合は速やかに夢仕立までお持ちいただければと思います。リューズの交換は5,000円からご対応いたします。

パッキンの交換料金について

・パッキンの交換:1,000円〜 腕時計の防水性を高めるために部品と部品の隙間を埋めるパッキン。防水機能以外にも埃や小さなゴミが時計内部に入り込むのを防ぐ役割もあります。主にプラスチックやゴムでできたパッキンは、経年劣化によってその機能を十分に果たさなくなることがあります。その結果、皮脂や汗が時計内部に入り込んだり、ガラスが曇ったりと、結果的に錆びつきや動作不良の原因となり腕時計を正常に保つことができなくなります。パッキンの交換は1,000円からとなっていますので、パッキンの状態が気になる場合は気軽にご相談にお持ちいただければと思います。

オーバーホールの料金について

・オーバーホール:8,000円〜 (但しブランド時計の場合30,000円前後〜が相場) 腕時計を分解して内部のパーツ一つ一つを点検・洗浄し、必要があればパーツ交換までを行う修理メンテナンス方法であるオーバーホール。目に見える目立った傷もなく、電池交換の必要もないのに時計が動かない場合には、時計修理の中でも最上位のこの方法が必要になってきます。時計を分解するので、他の修理方法と比べると高い専門的スキルが必要となり、その分、修理費用は高め。夢仕立では、ノーブランド時計では8,000円から、高級ブランドの腕時計の場合は30,000円前後からとなっております。ただし、内部パーツの劣化具合を確認してパーツ交換が必要となった場合には、交換パーツ料金が別途必要となり、高級ブランドの場合はパーツが廃盤になってしまっていたりもするので、その場合には合致するパーツを職人が手作業で作成することになります。その都度、料金も変わってきますので、まずは相談カウンターまで時計をお持ちいただければと思います。

まずは時計を持って相談しに来てみてください!

腕時計の修理方法とその料金についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した金額はあくまでも修理にかかる金額のおおよそであり、実際の金額は各時計の状況や状態によって変わってきます。いつ、どのタイミングで、時計の修理・メンテナンスを行うかによって、大切な腕時計をより長く使い続けられるかが変わってきます。適切な金額で適切な修理ができるように、どのような修理が必要かも含めてまずは相談にいらしてみてください。夢仕立ではお客様と一緒になって時計のことを考える専門の技術者がお待ちしています。

資格会員ディプロマ FGA 依田 光弘

この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 代表取締役社長
依田 光弘

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