ベビーリングってどんな指輪?

赤ちゃんに贈る初めてのジュエリー、
ベビーリングってどんな指輪?

「ベビーリング」という指輪をご存知ですか?

ベビーリングとは、赤ちゃんの誕生のお祝いに贈る小さな指輪です。「赤ちゃんが生まれた記念に何かを残したい」という方にぴったりなファーストジュエリーです。ベビーリングの意味や由来、素材の選び方など、ベビーリングについて詳しくお話ししてまいります。

ベビーリングとは?

ベビーリングは、生まれてきた赤ちゃんに初めて贈る、メモリアルジュエリーです。「生まれてきてくれてありがとう」「これからすこやかに育ちますように」との気持ちを込めて贈る、お守りのよう意味合いがあります。赤ちゃんの指にやっと入るぐらいのとても小さな指輪ですが、その作りは本格的。赤ちゃんの生まれた月の誕生石を入れたり、指輪には名前や誕生日の刻印を入れたりすることもあります。赤ちゃんが小さいうちはママがお守りとして身に着け、成長したらお子さんにプレゼントするという、継承できるメモリアルジュエリーです。

ベビーリングの由来と歴史

ベビーリングの由来は、ヨーロッパの言い伝えがもとになっています。ヨーロッパでは古くからから「銀のスプーンをくわえて生まれた赤ちゃんは幸せになる(Born with a silver spoon in one’s mouth)」ということわざがあり、16世紀頃から、赤ちゃんの誕生に銀のスプーンを贈る習慣が始まりました。銀のスプーンには「一生食べ物に困らないように」「元気に幸せに育ちますように」という願いが込められ、初めて食事をする時に銀のスプーンを使うのだそうです。 それが、時代とともにアレンジされて、銀の指輪を贈るようになりました。最初のうちは、ヨーロッパのセレブの間で流行し、徐々に日本へと広まりました。最近は、いろいろなジュエリーブランドでもベビーリングの取り扱いをしています。日本では、「すこやかに、幸せに育ちますように」との願いを込めた「幸せのお守り」として、出産祝いなどにベビーリングを贈る人が増えています。また、ベビーリングは女の子だけのものではなく、シンプルな男の子向けのデザインもあります。

ベビーリングの選び方

ベビーリングを選ぶポイントは4つあります。
1.リングの金属の素材を選ぶ
2.使う宝石を選ぶ
3.どんな文字を刻印するかを決める
4.サイズを決める
それぞれの選び方について、ご説明してまいりましょう。

1.ベビーリングの金属の素材は?

ヨーロッパで流行したもともとのベビーリングのアームの素材はシルバー(銀)でしたが、現在はシルバー以外の貴金属のベビーリングもあります。

シルバー
カジュアルに好まれる素材ですが、酸化しやすく、空気に触れるだけで黒ずんできてしまうので、こまめなお手入れが必要になりますが、ロジウムメッキされたシルバーのベビーリングなら、お手入れもしやすいと思います。ロジウムメッキの見た目は、プラチナのような色合いをしています。ロジウムでアレルギーを起こすことは、ほとんどありません。(稀にアレルギーが起こる場合もあります)

プラチナ
和名は「白金」。白い光沢のある貴金属で、深みのある落ち着いた銀色をしているのが特徴です。プラチナは純度が高いほどやわらかいので、ジュエリーとして一番多く使われているのが、純度90%のPt900です。ブライダルジュエリーの定番であるプラチナは、貴金属の中では一番高価です。

K18
純金はやわらかく加工しやすい反面、傷つきやすいので、ほかの金属と混ぜ合わせたK18がジュエリーの定番となっています。K18は75%が金で、25%が銀・銅・パラジウムです。他の素材を混ぜ合金にすることで、カラーバリーエーションが増えます。
イエローゴールド:K18の定番の色です。華やかな金色の光沢が日本人の肌によく馴染む、不動の人気の貴金属です。
ホワイトゴールド:上品な白い光沢は、プラチナよりも明るい印象です。間違えやすいのですが「白金」はプラチナを指します。ほとんどのホワイトゴールドのジュエリーには、ロジウムコーティングがされています。
ピンクゴールド:やわらかい印象のピンクゴールドは、女性に人気があります。

2.ベビーリングに入れる宝石は?

ベビーリングに入れる宝石の種類は特に決まりはありませんが、主流は生まれたお子さまの月の誕生石を入れるというものです。誕生石を身に着けることは、お子さまの成長のお守りにもなりますね。オーダーメイドでパパ、ママ、お子さまの誕生石を取り入れて華やかにあしらう方もいらっしゃいます。もちろん、小さいダイヤモンドや誕生石以外のお好きな宝石や思い入れのある宝石を選んでもいいでしょう。それぞれの誕生石は次の通りです。石選びの参考になさってください。

1月ガーネット
2月アメジスト
3月アクアマリン
4月ダイヤモンド
5月エメラルド、ヒスイ
6月パール、ムーンストーン
7月ルビー
8月ペリドット
9月サファイア
10月オパール、トルマリン
11月トパーズ、シトリン
12月ターコイズ、タンザナイト

3.ベビーリングに刻む文字は?

ベビーリングの内側に文字を刻むと、世界にたった一つのメモリアルジュエリーになります。刻印するのは、誕生日、お子さまのお名前、生まれた時刻、出生体重、イニシャル、両親の名前、メッセージなどがよく選ばれる文字です。ベビーリングは小さいので、デザインや大きさにより入れられる文字数が限られています。刻印を入れることができるか、入れられるなら何文字入れることができるかなど、オーダーする時に確認しておきましょう。メッセージの文は、次のようなものが選ばれています。オリジナルの文章を作っても素敵ですね。

Thank you for being born:生まれてきてくれてありがとう
Day with lot of smiles:笑顔があふれる毎日
I wish you happiness:あなたの幸せが、わたしの願いです
My dearest son / daughter:わたしの最愛の息子/娘
Jewel of a treasure:とても大切な宝物

4.ベビーリングのサイズ

ベビーリングのサイズは、ブランドによっていろいろですが、多くのブランドで採用している大きさは、7mmから8mm位の内径のものです。サイズがワンサイズに決まっているブランドもあれば、赤ちゃんの指のサイズを測ってオーダーするというシステムを取っているところもあります。赤ちゃんの指のサイズは小さいので、サイズ1号よりも小さいサイズが測れるリングゲージで測定します。赤ちゃんの指のサイズを測定してベビーリングを作れば、将来「こんなに小さな指をしていたんだ!」と懐かしむことができて、いい思い出にもなります。

ベビーリングは誰が贈るもの?

ベビーリングは誰から誰へ贈るものでしょうか?大きく分けて三つのパターンがあるようです。

パパからママへ

パパから出産したママへ、感謝の気持ちを込めて贈ります。お子さまが小さなうちは、ベビーリングにチェーンを通してペンダントトップとしてママが身に着け、お子さまが大きくなったらプレゼントする、というパターン。お子さまの20歳のお誕生日や結婚のお祝いに贈ると、さらにいい記念になりますね。ベビーリングにチェーンが付属しているブランドもありますし、オプションで購入することもできます。

両親からお子さまへ

両親からお子さまへ贈ります。パパ・ママが、生まれたばかりのお子さまに、すこやかな成長を願ってお守り代わりにプレゼントするというものです。

親戚、友人からのプレゼント

親しい人からのプレゼント。心のこもった贈り物は、贈る側にも一生の記念になりますし、贈られたお子さまの一生の宝物になることでしょう。

ベビーリングを作るタイミングは?

ベビーリングを作る時期は、特に決まりがありません。お誕生の記念のほか、生後100日、ハーフバースデー、1歳の誕生日、3歳の誕生日などに贈るという人が多いようです。ベビーリングに入れる宝石は誕生石が主流なので、生まれる前に作るのは少し待った方がよさそうですね。誕生石が確定しないうちに作っても、お誕生日によっては誕生石が違うものになる可能性があるからです。

ベビーリングの使い道

赤ちゃんの指のサイズに合わせて作られたベビーリングは、赤ちゃんのうちしか指にはめることができませんが、使い道はいろいろ。ベビーリングは次のような使い方ができます。

赤ちゃんが身に着けて記念撮影する

記念撮影をする時にお子さまが身に着けます。お宮参りや生後100日のお祝い、お誕生日にベビーリングを身に着けて写真を撮ると、素敵な記念日の思い出となるでしょう。指にはめられるうちに、たくさんの写真を残しておきたいですね。しかし、赤ちゃんの指にはめるのは記念撮影だけにしましょう。赤ちゃんはなんでも口に入れてしまうので、誤飲の恐れがあります。そればかりでなく、肌を傷つけてしまう可能性もありますので、赤ちゃんの指にはめる時は、目を離さないようにしたいですね。

ママが日常使いをする

アレンジをして、ママが日常使いします。ベビーリングにチェーンを通せば、ペンダントトップとして使うことができます。お誕生日や入学式など、お子さまの節目の時にベビーリングのペンダントを身に着けて記念撮影すれば、思い出深い記念写真を残すことができるでしょう。お子さまが大きくなって、ご自分で使えるようになるまで大切に保管しておくのもいいですが、せっかくですからそれまでにも使う機会を持ちたいですね。

お子さまが大きくなったらプレゼントする

お子さまが大きくなるまで大切にとっておいて、20歳のお誕生日などの節目にプレゼントします。メッセージを入れておけば、両親からの愛情がこもった最高の贈り物になりますね。

マムリング、親子リングって?

ベビーリングをオーダーする時に、同じデザインでママの指輪もお揃いでオーダーする「マムリング」というものもあります。ほかに「ママリング」「親子リング」など、呼び方はいろいろあります。ベビーリングとマムリングのセットは、一生ものの宝物になるでしょう。もちろん、パパとお揃いの「パパリング」を作ることもできます。 「家族が強い絆で結ばれますように」と願いを込めた「親子リング」。パパとママの結婚指輪のデザインにテイストを寄せた「親子リング」をオーダーするのも素敵ですね。

ベビーリングはどの指にはめる?

ベビーリングはどの指にはめるという決まりはありません。どの指にはめてもいいのですが、指輪はどの指にはめるかによって意味合いが変わってきます。ベビーリングを赤ちゃんの指のサイズに合わせてオーダーするなら、お子さまに「こんな願いを叶えてほしい」という思いを込めて贈りたいですね。指輪を身に着ける指それぞれに、次のような意味合いがあります。

親指《インデックスリング》

古代ローマ時代の言い伝えに「親指に指輪をはめるとどんな願いも叶う」というものがあります。信念を貫き、願いを叶える、という意味があります。
右手親指:決してあきらめない
左手親指:目標を実現させる力

人差し指《インデックスリング》

インデックスは、「指標」という意味があります。指し示す指、インデックスリングを身に着けると活力や自立心がアップするそうです。
右手人差し指:集中力を高める、リーダーシップを発揮する
左手薬指:積極性を高める

中指《ミドルフィンガーリング》

「直感」「ひらめき」の象徴である中指。インスピレーションを高めます。
右手中指:新しいアイデアを生み出す、邪気をはらいパワーを呼び込む
左手中指:協調性を高める、良好な人間関係

薬指《アニバーサリーリング》

薬指は「創造」の象徴。結婚指輪を着ける指でもあり、記念の象徴でもあることから「アニバーサリーリング」と呼ばれています。大切な人との絆を深めます。
右手薬指:直感力、創造力を高める
左手薬指:愛の進展と絆、心を安定させる

小指《ピンキーリング》

小指はチャンスの象徴です。心を落ち着かせ、幸運を呼び込みます。
右手小指:表現力を高める、思いを貫く
左手小指:チャンスを引き寄せる、願いを叶える

最後に

見るたびに、生まれた瞬間の感動や赤ちゃんだったころのかわいらしさを思い出させてくれそうなベビーリング。ベビーリングが家族の結びつきを固いものにしてくれるのではないでしょうか。新しい家族を迎えるファミリーにおすすめのギフトです。選んで楽しい、もらって嬉しい、世界にたった一つのベビーリング。ベビーリングをプレゼントすることは、贈る側にとっても、贈られるお子さまにとっても一生の記念となることでしょう。この記事を、ベビーリングをオーダーする時の参考にしていただけたら幸いです。

資格会員ディプロマ FGA 山本 菜摘

この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
山本 菜摘

ジュエリーや宝石が新品同様の品物に生まれ変わる仕上げ直し

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