この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 代表取締役社長
依田 光弘
ジュエリー工房夢仕立には、ジュエリーリフォームやオーダーメイドジュエリーなどに関するあらゆるお問い合わせ・お悩みがたくさん寄せられます。 今回は、そんな中からオーダーメイドリング製作についてのご相談をご紹介します。
亡くなった祖母から生前、ゴールドの指輪を2つ譲り受けました。この指輪を3つのピンキーリングへ作り変えたいと考えています。母と妹にも持ってもらいたいからです。これを来年の祖母の命日に贈りたいと思っています。
譲り受けた指輪は、どちらもゴールドです。
作りたいイメージの指輪は、1つは石のついたものです。60歳になる母につけてもらいたいと思っています。妹と私はシンプルなリングにしたいと思っています。幅0.9mmくらいの細いピンキーリングが希望です。
製作可能でしょうか?
お任せください、製作可能です。
ただし製作にあたり、以下の2点が懸念されます。
これによりお見積金額も変わりますので、ぜひご確認ください。
ジュエリーのリフォームは大抵の場合、地金(ゴールド)部分は下取りをし、その金額から相殺しています。これは、古い地金をそのまま使用する場合以下のような問題が発生してしまうためです。
【1】精製された地金ではないため、地金の内部に気泡などがたくさん入り込み、製作したジュエリーの耐久性が落ちてしまう
【2】製作方法が「フルハンドメイド」しかなく、製作コストが高くなってしまう
しかし、どうしても地金を溶かして使用したいというお客様には、ご要望に添った製作をさせていただきます。
また、地金を溶かして製作する場合、1.5倍くらいの量の地金が必要となります。2つのリングを3つに直すということで、地金の量が足りない可能性がありますが、その場合は足りない分の地金を足して製作をいたします。その場合は新しく足した地金の代金も発生します。
極細のリングはシンプルでファッションの邪魔をしないことや、指が細く長く見える効果もあり、女性にとても人気があります。 しかし幅0.9mmのリングは、“超極細”のリングとなるため耐久性に乏しいことが予想されます。ピンキーリングは小指につけるリングですので、衝撃が多いリングであるともいえます。予めご了承ください。
中央についているダイヤモンドは0.1ct位のもので、それほど大きくないためご婚約指輪ではなく日常に使うご結婚指輪に使いたいとのことでした。また、お祖父様がいつもつけていたリングでとても思い入れがあるため、できればプラチナも全て使いたいというご希望でした。 通常、ジュエリーリフォームの際には特別なお申出がない限りは、そのまま地金を使用せず、下取りとして価格から相場に合わせてお値引きいたします。 これは溶かした地金で製品を製作すると、新しい地金で製作するよりも耐久性が若干落ちてしまうためです。 地金を精製して新しく製作する場合は地金に空気が入り込まないように作りますが、1点ずつ溶かして製作する場合は溶かして固める過程を全て工房にて行わなければならないため、空気が入ってしまいます。 ある程度は鍛金によって気泡痕を潰すことができますが、それでも精製した地金よりは耐久性が低くなります。 また、このようなご希望の場合は1点ずつ地金を溶かさないとどの地金をどこに使ったかわからなくなってしまうため、他の製品とまとめて製作することができません。通常はある程度石座やリングサイズなどをワックスで調整して製造してから、まとめて鋳造します。 その方法の場合は工賃をある程度抑えることができるのですが、この鋳造を1点1点行う工賃が高額となり、鋳造のメリットが無くなってしまいます。 そのためお客様の地金を溶かして製作する場合は、全て手作りとなってしまい、工賃が高くなってします。 このような事情から、特別にお申出がない場合は、お安く製作できる「下取り」にて計算してご依頼を承っております。 今回のご相談は「地金も使って欲しい」ということでしたので、上記のことをご説明して製作いたしました。 DATA 加工納期:約1ヵ月 製作代金:80,000〜
この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 代表取締役社長
依田 光弘
さり気なく手元を彩り、指を華奢に見せる事の出来る「ピンキーリング」は、女性からの高い人気を誇っています。“ピンキー”は英語で“小指”を意味し、ピンキーリングはその名の通り小指にはめるために作られた指輪です。ファッションのワンポイントとして活躍してくれるピンキーリングですが、実はお守りとしての意味もあるってご存知ですか?
婚約指輪や結婚指輪を購入してから数十年の時が経つと、どうしてもデザインを古く感じてしまうことがありますよね。それでも大切な宝物である指輪を特別な日に身に着けたり、普段から使っていきたいという方は多いはず。しかし、昔のままのデザインの指輪を着けていると、服やメイク、髪型などにマッチせず、手元だけが時代遅れな印象になってしまいます。 そこでオススメなのが指輪のリフォームです。 希望によって普段使いがしやすいデザインに変更したり、今時の素敵な指輪へとお直ししたりすることができます。 購入当時の思い出を大切にしつつ、新たな息吹を吹き込むことで新鮮な気持ちで指輪をもう一度手元に輝かせることができます。
形見のジュエリーの地金を溶かして製作することは加工技術的には非常に難しいのですが、弊社では今までにその様なご相談を数多く承って参りました(お客様のご要望により、眼鏡や入れ歯を溶かして製作することもございました!)。 ジュエリーのお悩み、ご相談は実績豊富な弊社にお任せください。