ティファニーの歴史、ジュエリー

ティファニーの歴史が生み出した、数々の名作ジュエリー

ティファニーは、世界5大ジュエラーのひとつとして知られる米国の高級宝飾店です。長い歴史の中で優れたデザイナーを輩出し、数々の名作を誕生させました。こちらでは、ティファニーのジュエリーの歴史からデザインの種類、代表的なバンドリングの詳細などをご紹介していきます。

【TIFFANY】ティファニーダイヤモンドシグネチャーリングのサイズ直し

ティファニーのジュエリーの歴史について

ティファニー社の創業は1837年、チャールズ・ルイス・ティファニーとジョン・B・ヤングが米国ニューヨークのマンハッタンに文具雑貨店「ティファニー・ヤング&エリス」をオープンしたのが始まりです。1853年には「ティファニー&カンパニー」と社名を変更、チャールズ・ティファニーによってジュエリー販売を中心にビジネスを展開します。

1845年にはメールオーダーカタログ「ブルーブック」を発行。コマドリの卵から着想を得たブルーの表紙の色は、現在も「ティファニーブルー」としてブランドを象徴するカラーとなりました。この色は、後に特許を取得しています。1851年にはティファニー社が米国内初のシルバー純度基準を925/1000に設定しました。また、「信頼できる」という意味合いの「STERING」と名付けて、スターリングシルバーとして地金品位のブランドを確立、世に広めました。

1878年には287カラットの大きなイエローダイヤモンドの原石を購入します。後に128.54カラットにカットされ、「ティファニー・ダイヤモンド」と命名。映画「ティファニーで朝食を」の広告で有名になります。現在もブランドを象徴するダイヤモンドとして、ニューヨーク本店に展示されています。

1886年、ダイヤモンドを6本爪により高い位置で留めた「ティファニーセッティング」を発表します。光をあらゆる角度から取り入れ大きく反射するよう開発したセッティング法で、現在は婚約指輪の定番となりました。

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#TiffanyBlueBook: A stunning display of diamonds, oval tanzanites and two sapphires bring these spectacular earrings to life. #Tiffany #TiffanyAndCo

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1902年、ティファニー社の宝石学者ジョージ・F・クンツが新しい宝石を発見します。発見者の名にちなんで、クンツァイトと命名しました。同年、創業者チャールズが亡くなり、息子のルイス・カムフォート・ティファニーがビジネスを継承します。ルイスはデザインディレクターとして活躍し、アール・ヌーヴォーの先駆者となりました。その後、ジャン・シュランバージェ、エルサ・ペレッティ、パロマ・ピカソなどをデザイナーとして迎え、ティファニー独自の芸術感に満ちた作品を続々と世に送り出しました。

1968年10月、ティファニーは新しい宝石である「タンザナイト」を発表します。この宝石は最初ルビーを探していたアマチュアのコレクターのマニュエル・ト・スーザーが、東アフリカのタンザニアのアルーシャ地区メレラニ鉱山で偶然に見つけたもので、当初サファイアだと勘違いしていましたが、鑑別を行ったところゾイサイトの変種だということがわかりました。ゾイサイトと言えば元々不透明でピンクや緑色のものしか確認されておらず、当時この青色のゾイサイトの発見はとても話題になりました。 これをティファニーが1968年10月に大々的に「タンザナイト」として発表します。ティファニーはこのサファイアのように美しいゾイサイトの販売展開させるためにタンザニアの夜の色をコンセプトに『タンザニアの石=タンザナイト』と名付けました。「ゾイサイト」という名前が、英語で自殺という意味の「スイサイド」に似ているからという理由があった様です。

1999年には、数十年間の研究を経て開発されたダイヤモンドカット法「ルシダ」を発表します。独特なカットのルシダはフェイスアップで見ると8角形の形をしており、1970年に発表されたプリンセスカットとは異なり、ルシダのダイヤモンドは、ガードルから上半分のクラウンが高くカットされています。また、パビリオンがラウンドブリリアントと同じ面数である25面からできています。名前の由来は”一つの星座の中の一番明るい星を指す”という天文用語で、ダイヤにレーザーで「ルシダ」と刻印されていました。

創業175周年記念となった2012年には、ブランド独自が開発した新しい金属「ルベドメタル」を発表しました。「Rubedo」はラテン語で「赤」の意味で、夜明けの光にインスピレーションを得た繊細なバラ色の輝きを表現しているとのことです。金属の成分をあえて発表しないことが巷で話題になることに繋がり、ティファニーの「狙い通り」の評判となりました。

実際には、成分は金が30%〜35%位、銅が5%〜7%位、亜鉛と銀がそれに続く成分となり、他にも微細な金属が含まれている様です。金の量から表現すると「K9ピンクゴールド」若しくは「K9ローズゴールド」というところでしょうか。

しかし金の含有量があまりはっきりしていないことから、金属品位の国際規定である「K◯◯」という刻印は打っていない様です。(ゴローズと似た様なこだわりですが、修理する場合はこのこだわりが極めて厄介となるため、購入者にとって優しいかどうかは疑問です)使用していくにつれて酸化被膜や場合によっては堂の酸化物である緑青が出てくるため、経年劣化が激しい商品としても有名です。

2020年には世界最大のコングロマットLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)の傘下となります。

ティファニーのイメージについて

ティファニーブルー

ティファニーブルー

ティファニーを象徴するのは、「ティファニーブルー」と呼ばれる独特の青色です。ブティックの内装をはじめ、袋、箱などの包装のほか、食器や雑貨などのアイテムにも使用されています。一目でティファニーと分かる色は、プレゼントとして受け取った瞬間に胸が高まるといわれるアイコニックなカラーです。

デザインの種類が豊富

ティファニーのジュエリーは、すべての年齢層が着用できる素材やデザインを展開しています。カジュアルなシルバーから3色のゴールド、高級感あるプラチナやダイヤモンまで、予算や目的に合わせてジュエリーを選ぶことができます。レディースのほかメンズやユニセックスも揃うので、パートナーとペアでの着用が可能です。

ティファニーセッティング

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ティファニーは、婚約指輪の定番となった「ティファニー・セッティング」が有名です。1粒ダイヤモンドを6本の爪で高い位置で留め、光を最大限に反射するように計算されたセッティングです。このセッティング法は特許取得し、世界中の女性の憧れの存在となりました。

婚約指輪にも使用されるティファニーのダイヤモンドは、信頼できる鉱山で採掘された原石だけを直接購入しています。ティファニー社では原石を独自で仕入れ、熟練職人がカット・研磨が施しています。カットしたダイヤモンドは鑑定士によってグレードが評価され、基準を満たしたルースだけがジュエリーにセッティングされます。

ティファニー・イエロー・ダイヤモンド

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From our red carpet archives. @ladygaga wears the priceless, 128.54-carat Tiffany Diamond to the 2019 #Oscars. #TheTiffanyDiamond #LadyGaga ——— In hopes of bringing some joy and optimism to your feed, we’re looking back on a few of our favorite moments. We believe positivity is needed, now more than ever. #TiffanyAndCo

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ティファニーのニューヨーク本店には、ブランドを代表する「ティファニー・イエロー・ダイヤモンド」が展示されています。1867年に南アフリカで発見された287カラットの原石は、その後128.54カラットのクッション・ブリリアントカットが施されました。1961年にはジャン・シュランバージェがデザインしたネックレスにセッティングされ、映画「ティファニーで朝食を」の宣伝写真に使用されます。後に有名な「バード・オン・ア・ロック」という鳥のブローチにセッティングされました。

ハリウッドセレブが愛用

ティファニーのジュエリーは、多くの海外セレブや国内芸能人たちが愛用することで知られています。映画「ティファニーで朝食を」で主演したオードリー・ヘプバーンをはじめ、米ケネディ大統領夫人ジャックリーン・ケネディ、エリザベス・テイラーなどが愛用。映画賞授賞式では、毎回ハリウッドセレブたちがレッドカーペットでティファニーの豪華なジュエリーを着用しています。

デザインについて

ティファニーの頭文字をモチーフにした「ティファニーT」、虫や植物など自然界をモチーフにした「ペーパーフラワー」、ニューヨーク文化をイメージした「ハードウエア」、アイコニックなキーリングから着想を得た「リターン・トゥ・ティファニー」、鍵をモチーフにした「ティファニーキー」などのコレクションが揃います。

ティファニーでは、歴代著名なデザイナーによる優れた作品が製作されてきました。代表的なデザイナーと歴史に残るジュエリーをご紹介していきます。

ジャン・シュランバージェ

1956年にティファニーに入社。花や植物、動物などをモチーフにした立体的でカラフルな、芸術感あふれるジュエリーをデザインしました。元々はパリのオートクチュール・デザイナーの下でアクセサリーデザインを行っていましが、ニューヨークに移住後ティファニーに入社します。

インドやタイなどエキゾチックな土地を訪れてデザインのインスピレーションを磨いたというシュランバージェは、自然美から着想を得た造形美のある作品を世に送り出しています。1958年には、ジュエリーデザイナーとして初めてとなるコティ・アメリカン・ファッション・クリティック賞を受賞しました。有名なデザインは、クロスしたゴールドにカラーストーンを配した「リン」や、エナメルブレスレットなどです。

エルサ・ペレッティ

1974年にティファニーに入社。ファッションモデルとして活動中、ジュエリーデザイナーとして仕事を始め、その才能が認められます。これまでのティファニーのイメージを一新する革新的なデザインで、瞬く間に世界中の女性を魅了しました。

ペレッティがデザインするジュエリーは、素材の美しさを生かした滑らかな曲線のフォルムが特徴的です。オープンハートやビーン、バイザヤードなど、ティファニーの代表作となる数々の名作を誕生させてきました。

パロマ・ピカソ

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有名な画家パブロ・ピカソの娘パロマは、1980年代からティファニーのデザイナーとして活躍しています。元々はイヴサンローランでデザイナーとしてキャリアを積んでいました。大胆で造形的なデザインが印象的です。代表作は、ラビングハート、ラブ、オリーブリーフ、グラフィティなど。様々なデザインのパターンを展開しています。

代表的なペアリング

フラットバンドリング

ストレートのバンドリングに、「Tiffany&Co.」の文字が刻まれています。シンプルなプラチナのみのタイプと、両サイドにラウンドブリリアントカットを配したタイプから選べます。結婚指輪やペアリングとして着用できます。

平均価格:15万円台~20万円以内
地金の種類:プラチナ、ダイヤモンド
寸法:幅/約3㎜ 厚み/約1.5㎜

クラシックバンドリング

ストレートタイプのバンドリングで、結婚指輪として人気のコレクションです。幅のバリエーションが豊富なので、パートナーとお揃いのペアリングとして選べます。定番のプラチナから女性らしいローズゴールド、高級感のあるダイヤモンド付きなど選択肢も豊富です。

平均価格:8万円台~20万円台
地金の種類:チタン、18Kイエローゴールド、ローズゴールド、プラチナ、ダイヤモンド
寸法:幅/2㎜、3㎜、4㎜、4.5㎜など 厚み/1.1㎜~1.8㎜

ナローベーシックリング

ティファニー社が創業された年である「1837」の刻印と「T&CO」の文字が刻まれたアイコニックなコレクションです。カジュアルなチタンやシルバーから、3種類のゴールド、プラチナ、ダイヤモンド付など豊富な素材から選べます。ユニセックスなので、ペアリングとして人気です。

平均価格:2万円台~20万円以内
地金の種類:チタン、スターリングシルバー、18Kイエローゴールド、ホワイトゴールド、ローズゴールド、プラチナ、ダイヤモンド
寸法:幅/約3㎜

ティファニーバンドリング

指輪の外側にある頂点を境に2つの面が存在する、三角形のフォルムです。シンプルなプラチナのリングはスリムで、指を華奢に美しく演出します。130周年記念として、18Kゴールドまたはプラチナにパヴェダイヤモンドを配したコレクションも発表しています。

平均価格:8万円台~100万円台
地金の種類:プラチナ、18Kゴールド、パヴェダイヤモンド
寸法:幅/2㎜

ハーモニーリング

フロント部分に向けて細くなるフォルムをした、テーパードバンド・リングです。1粒ダイヤモンドは婚約指輪として、エタニティタイプは結婚指輪として、2本がぴったりとしたハーモニーで重なりあうデザインです。

平均価格:9万円台~30万円台
地金の種類:18Kローズゴールド、プラチナ、ダイヤモンド
寸法:幅/約2㎜~4㎜ 厚み/約2㎜~3.6㎜

Tワイヤーリング

力強さと純粋さをイメージさせるアルファベット「T」のフォルムからインスパイアされたコレクションです。洗練されたモダンなリングは、2つのTがフロント部分で出会うタイプと、1文字のTを描いたストレートタイプが揃います。ダイヤモンドを敷き詰めたデザインは大変豪華です。

平均価格:10万円台~30万円台
地金の種類:18Kイエローゴールド、ホワイトゴールド、ローズゴールド、プラチナ、ダイヤモンド
寸法:代表的なサイズ 幅/約1.6㎜~2.0㎜ 厚み/約1.8㎜~2.0㎜ モチーフ/約5.6㎜×5.5㎜


最後に

ティファニーのジュエリーは、女性なら誰もが一度は欲しいと願う憧れの存在です。定番スタイルのバンドリングはペアで着用できるデザインですので、結婚指輪やペアリングとしても人気です。プレゼントとしてお選びの際には、予めサイズを確認されることをお勧めします。

夢仕立ではティファニー社製品の修理を数多く承ってまいりました。ティファニー社で修理を断られたお品物でも、諦めずに、一度夢仕立へご相談くださいませ。

資格会員ディプロマ FGA 依田 優子

この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 優子

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