英国宝石学協会公認ジュエリー工房

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オーダーメイドジュエリーが出来るまで

オーダーメイドジュエリーが出来るまで

私ども「夢仕立て」では江戸の飾り職人の流れをくむ伝統技法を受け継ぎ、熟知した、熟練の「錺飾師」(「ほうしょくし」と読みます)たちが心を込めて丁寧な仕事をしております。なかなか目にすることの少ないジュエリーの工房を少し覗いてみませんか?

ジュエリー工房

デザイン興し

デザイン興し

ジュエリーの製作にはいろいろな行程と技法そして様々工具があります。その中から基本的な作り方や工具について流れに沿って簡単にご案内致します。全てのものにデザインが必用です。まずはデザインを興します。


ジュエリー工房

ジュエリー制作

ジュエリーを製作するには沢山の手間と時間が必要です。そして大きく分けて
A:伝統的な鍛金・彫金による金工技法
B:溶かした金属を形に流し込む精密鋳造方法(鋳金)があります。

A:まずは伝統的な金工技法である鍛金(鍛造、打ち出し、絞り)・彫金による方法を覗いて見ましょう。

1:まず素地金(材料になるプラチナ、18金など)から必要な素材を作ります。素地金をたたいたり、のばしたりして板状、棒状、線状、パイプ状に加工します(鍛造、打ち出し、絞り)。

ローラーには色々なサイズの角溝がついています。線材を角溝ロールで所定の太さにのばし角線を作ります。角線を平ローラーで延ばし板を造ります。


木台と金床(角床、T字床)

木台と金床(角床、T字床)

金床に角線や平板などを載せ木槌や金槌でたたき、曲げたり、のばしたり、当て金を用いたりして目的の形状に整形したり、目的の部材を作ります(打ち出し、絞り)。金床も基本形の他、目的に応じいろいろな形のものを使い使います(角床、T字床、ツノ床、レール床など)。


ジュエリー工房

・溝台に板地金を置き、矢坊主等を添えてたたき、半円状の断面の地金を作ります。→甲丸リングなどの素材になります。
・上からスチール線の当て金を当てU字形に丸め、木台に移し円形に整形し、パイプの素材を作ります(絞り)。
・線引き板をしっかりと万力などで固定し、一気にエンマで引き抜き、目的の線やパイプを作ります(目的の直径になるまで数回に分け徐々に小さくしていきます)。

1:小さなダイアモンドの石座などもこのようにして作った素材から切り出して一つ一つ作ります。
2:このようにして作った素材や部材を切ったり、曲げたり、ロー付けしてデザイン通りのジュエリーを製作していきます。


ジュエリー工房

糸ノコで一つ一つ切り出して行きます。

*酸素バーナー、酸素ボンベ、糸鋸、各種ヤットコ・タメトコ、各種タガネ、やすり、ヘラ等の製作道具です。

自分に合うようまず自分で道具作りをします。


ロー付け

ロー付け

(プラチナの場合ガスバーナーでは熔けませんので酸素ボンベと保護メガネが必要です)。ロー付けは指輪などの場合100ヶ所以上に及ぶことも珍しくありませんので、重要な技術です。

バーナーの固定方法、バーナーの火の回し方、対象物の固定方法、ロー材の選定、ローの流し方(置きロー、差しローなど)など技術の差が製品の善し悪しに直接影響します。


ヤスリがけ

ヤスリがけ

この作業も重要です。各パーツの組上げ毎に中目ヤスリ、油目ヤスリでヤスリがけし、バリなどをキサゲで取り除きで、最終は荒ベラ、仕上げベラとヘラがけをして仕上げます(最近の職人はすぐバフがけしがちですが、バフを多用すると地金がやせますので多用をさけます)。キサゲで細かなバリ取りと表面仕上げをしています。


ヤニ付け

ヤニ付け

ヤニ(松ヤニ、地の粉、松煙を混ぜて作る)付けをしています。ヤニではなくモデリングコンパウンドを使用する場合もあります。

ヤニやモデリングは冷えると固くなりますのでこれをリングホルダーやヤニ台に固定し、彫刻台(彫金、石留めに利用します)にセットします。

石留め

石留め作業

石留め作業

これから石留めに入ります。まず石合わせをします。彫刻台にリングをしっかり留め、石がピッタリ合うよう石の台座を整形し、石合わせをします。

石を石座にセットし、魚子(ナナコ)などのタガネを使い爪を留めます。(爪留め)。魚子とは不思議な名前と思いませんか?

このタガネは石留めだけでなく、テクスチャーをつくる際にも利用します。先端が凹状になっていて、連続的にたたいていくと小さな丸い点がきちんと整然と並んだ模様が出来ます。模様が魚の卵に似ているのでこう呼ばれているとのことです。


彫り留め

彫り留め

彫り留めとは造っておいた爪でとめるのではなく、地金を直接タガネでたたいて彫り起し、その起こした部分の地金を爪として用いる技法です。地金の彫り起しに失敗すると、余りの地金がありませんから最初から造り直しになってしまいます。そのため彫り留め職人はおのずと、「腕の経つ職人」ということになります。

彫りタガネ(彫金)は、刃先が命です。刃先がきれいに光っているでしょ!これも全て自分で作ります。


タガネのハンドルと金槌

タガネのハンドルと金槌

・長年使用しているので、金槌の中心部分が少しへこんでいます。
・持ち手側の木の柄がすり減って手になじんでいます。

写真にはありませんが、柄の長さも色々で、その用途によって使い分けています、ハンドルは、チョットした形状の違いによって上手く力が伝わらないことがあるため、色々そろえておきます。長年やっていると徐々にではありますが、工具は増えていきます。


金槌と数種類の彫りタガネ

金槌と数種類の彫りタガネ

金槌と数種類の彫りタガネとで彫りを行います(彫金)。魚子タガネは先端が凹状になっています。丸バーは石座整形などに使います。

タガネは特殊な物を入れたらきりがありませんが、たくさんのものを使って作業します。作業に支障をきたさないよう、切れ味が落ちたらすぐ交換できるように同じ種類の物でも複数個を必ず手元に用意して作業します。

タダネは刃先が命!作業のあとの手入れも重要な仕事です。


仕上げのリューターとバフ

仕上げのリューターとバフ、刻印

最後に仕上げのリューターで細かなところを仕上げ、バフをかけます。プラチナと金とでは固さが異なりますのでリューターやバフのかけ方も異なります。それぞれ専用の研磨布で行います(バフが2台あるのはそのためです)。

*最終検査の後、「夢仕立」の刻印を入れます。

キャスト(精密鋳造)による製造

精密鋳造方法(鋳金)

精密鋳造方法(鋳金)

溶かした金属を形に流し込む精密鋳造方法(鋳金)を覗いてみましょう。

鋳造は大仏様やマンホールの蓋などでおなじみの技法ですが、ジュエリーの様に細かな細工に利用する技法はこれとは若干異なる精密鋳造という技法です。

精密鋳造とは、ワックス型の模型モデルを鋳型材でくるんで鋳型をつくり、加熱してワックスを溶かし流出させたあとに生じた空洞部に、溶融金属を注入して鋳物を作る方法です。主に大量生産に用いられますが、3次元の複雑な細工物やデザイン物等の一品物にも利用します。

ワックスモデルの取り方に3種類の方法があります。
1:原型を金属で作りそれを元にしてワックスモデルを作る方法
2:ワックスの固まりから直接ワックスモデルを切り出す方法
3:CADと光造形を用いてワックスモデルを作る方法

1の原型を金属で作る行程は前回覗いた工房物語の「伝統的な鍛金・彫金による金工技法」で述べた行程と原則的には同じです。ではなぜワックスモデルを取るかと言うとこの元型(原型)があると同じものが何個も比較的容易に作れるからです(量産向き)。

2のワックスによる直接整形は金属原型を作らずいきなりワックスモデルを作る方法です。ワックスを彫刻刀等で彫りだして作るので比較的容易に出来ますが、量産する場合は少し工夫が必要です。また、複雑なデザインや、地金の風合いに色々工夫を施したデザインなど、個性的なデザインも可能です。

3:最近では、3次元のコンピュータ入力(CAD)と光造形技術を用いて、液状のWAXを直接固化させてワックスモデルを作る方法があります。この方法は元々は自動車や精密部品の試作品に利用されていたものです。この方法の利点は微調整が容易に出来る点です。ただし、層を積み上げる積層法で作るため、多かれ少なかれ階段状(ステップ)の連続で出来るため、最終的な曲面にするには仕上げの工程を必要とします。

ここで注意しなければいけないことは、鋳造の方法の善し悪しが直接最終製品の善し悪しに影響することです。


デザイン興し

デザイン興し

ここでもまずデザインを興します。

前回覗いた工房物語の伝統的な金工技法で金属原型を作った後に、ワックスモデルの制作に入ります。


ゴム型の製作

ゴム型の製作

温めて柔らかくしたゴムで原型を隙間なくピッタリと挟み込み、ゴム型を制作します。冷えて固くなったゴムを切り、中の金属原型を取り出します。

手に切り出さないとその後のワックスモデル造りがうまくいきません。

ゴム型の下部が広がっているのはワックスを注入します。ワックスインジェクターのノズルが当たるためです。


ワックス注入

ワックス注入

ワックスインジェクターのよるワックス注入です。原型を取り出した痕に出来た空洞に熱したワックスを注入します。うまく注入しないと、空気がじゃまして細部までワックスが入らなかったり、空気が混入して良いワックスモデルになりません。

<2のワックスの固まりから直接ワックスモデルを作る方法では、彫刻刀やスパチュラ、キサゲ等で直接デザインを彫りだして行きます>。

ワックスブロックを彫刻刀などで切り出しデザイナーのデザインを具象化します。(ゴム型取り、ワックスインジェクターによるワックス注入の行程は不要です。)

1の金属原型による方法や、2の直接切り出す方法で、ワックスモデルが出来ました。


ワックスツリーの製作

ワックスツリーの製作

次に出来たワックスモデルを使って鋳造します。
ワックスを鋳型材で包むため湯道の回りに電熱コテで木の枝の様につけていきます。


石膏の流し込み

石膏の流し込み

鋳型材の石膏を流し込みます。そしてよく乾燥させ、石膏を焼結しています。焼結すると内部のワックスが溶け出し、中に空洞が出来ます。ワックスを溶かしだして空洞を作るのでロストワックスと言います。

この空洞に熔けた金属を流します。(鋳造です)

1:ここでは気泡の発生を最小限にすること。
2:地金を均一に、細部まで流し込むこと。
この2点が最大の課題です。


遠心鋳造とバリ取り

遠心鋳造とバリ取り

遠心鋳造がしっかり出来てないと「す」が入り、見た目は良くてもひどい製品になってしまいます。吸引鋳造、遠心鋳造、真空鋳造等色々な鋳造方法があり、いずれもかなり大がかりな機械を使用します。

簡単に地金を溶かして流せば良いと言うわけには行きません。ルツボの温度はかなり高温で、18金では約880℃、シルバー925ではおおよそ850~900℃。PT900では1800℃くらいです。


仕上げ

仕上げ

石膏を割り取り出した製品には、地金を流すための湯道や不要なバリが付いていますので、カッターなどで取り除きます。石をセットしてからは磨き、石留め、仕上げと前回覗いた伝統的な金工技法による職人仕事になります。

こうして出来上がります。結構手間がかかり神経も使いますが、難しければ難しいほど挑戦しがいのある楽しい仕事です。

資格会員ディプロマ FGA 依田 光弘

この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
夢仕立工房 代表取締役社長
依田 光弘


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