この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
日本宝石協会理事
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 宇弘
ブラッドストーンの意味・効果を徹底解説。3月誕生石として人気の血石の石言葉、パワーストーン効果、相性の良い石、など。購入前に知っておきたい情報を鑑定士資格を持つ日本宝石協会の理事がわかりやすく解説。
この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
日本宝石協会理事
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 宇弘
ブラッドストーンは、深い緑色の地に赤い斑点が散らばる独特の外観を持つ天然石です。和名を「血石(けっせき)」といい、その名の通り緑色の石に血のような赤い模様が入っていることが特徴です。鉱物学的にはジャスパー(碧玉)の一種で、酸化鉄による赤い斑点が入ったものを特にブラッドストーンと呼びます。
古代から「聖なる石」として崇められ、中世ヨーロッパではキリストの血を象徴する石として珍重されてきました。現在では3月の誕生石の一つとしても知られ、アクセサリーやパワーストーンとして人気を集めています。
ブラッドストーンの代表的な石言葉は「勇気」「献身」「聡明」です。困難に立ち向かう強さや、自己犠牲の精神を象徴するとされ、戦士や騎士のお守りとして使われた歴史があります。
血を連想させる赤い模様から、生命力や血液の健康に関わる意味も持つとされています。心身のエネルギーを高め、疲労回復を助けると信じられてきました。
古代では血液の浄化や循環を助ける石として用いられ、現代でも健康維持のお守りとして愛用されています。スポーツ選手やアクティブな生活を送る方に人気があります。
献身や思いやりの意味を持つことから、他者への共感力を高め、良好な人間関係を築くサポートをすると考えられています。
これらはパワーストーン的に言われていることであって、実際の宝石にそのような力が効果があるかどうかは立証されていません。宝石学士としては、無い、と言う見解です。ただし、プラシーボ効果はあるかもしれませんので、その1つ1つ異なる個性を持って生まれてきた天然の宝石に対する気持ちは、とても素晴らしく大切だと思います。
良質なブラッドストーンは、深い緑色に鮮やかな赤い斑点が均等に散らばっているものです。色のコントラストがはっきりしているほど価値が高いとされます。ただし、模様の入り方は一つ一つ異なるため、自分の直感で「惹かれる」と感じるものを選ぶことが大切です。
モース硬度は約6.5〜7で、比較的丈夫な石です。以下のお手入れ方法がおすすめです。
インドのデカン高原は、ブラッドストーンの最も重要な産地として知られています。現在市場に流通しているブラッドストーンのほとんどがインドで採掘・加工されており、深い緑色に鮮やかな赤い斑点が入った高品質なものが産出されます。
南米ブラジルも重要な産地の一つです。インド産と並んで品質の高いブラッドストーンが採掘されています。
西オーストラリアでもブラッドストーンが産出されます。オーストラリア産は独特の色合いを持つものもあり、コレクターに人気があります。
アフリカ大陸でもマダガスカルや南アフリカで産出されています。赤い碧玉を含む岩石が見られる地域で採掘されています。
アメリカではカリフォルニア州、ネバダ州、オレゴン州、ワシントン州などで小規模な鉱床が発見されており、地元で愛される石として人気があります。
ブルガリア、チェコ共和国、イタリア、ドイツ、ルーマニア、中国などでも産出されています。産地によって緑色の濃さや赤い斑点の入り方に個性があります。
ブラッドストーンのリングは、シルバーやゴールドとの相性が良く、シンプルな一粒デザインからアンティーク調の装飾的なデザインまで幅広いスタイルがあります。男性にも人気があり、印章リングやシグネットリングとしても愛用されています。
胸元に着けることで、心臓に近い位置でエネルギーを感じられるとされます。カボションカット(丸いドーム型)のペンダントが定番で、日常使いしやすいサイズ感が人気です。
他の天然石と組み合わせたブレスレットも人気があります。相性の良い石として、水晶、ヘマタイト、カーネリアンなどが挙げられます。
祖父母から受け継いだブラッドストーンの指輪を、現代的なペンダントにリメイクするなど、ジュエリーリフォームでも人気の宝石です。石の持つ歴史や思い出を大切にしながら、新しいデザインで楽しむことができます。
すべての石と調和し、ブラッドストーンのエネルギーを増幅させると言われています。
同じく血液や生命力に関わる石とされ、相乗効果が期待できると言われています。
活力や行動力を高める組み合わせとして人気があります。
同じ3月の誕生石で、ブラッドストーンの力強さとアクアマリンの穏やかさがバランスを取ると言われています。
古代エジプトでは、この石を粉末にして蜂蜜と混ぜ、止血剤として使用したという記録があります。古代ギリシャやローマでは、スポーツ選手が勝利を呼ぶお守りとして身につけていました。
中世のキリスト教文化では、カルヴァリの丘で十字架にかけられたキリストの血が地面に落ち、緑の石に染み込んでブラッドストーンになったという伝説があります。このため、教会の装飾や聖職者の装身具に使われることもありました。
ブラッドストーンは3月の誕生石の一つです。同じく3月の誕生石であるアクアマリンやアイオライトと比べると、より力強く、エネルギッシュな印象を持つ石です。
ブラッドストーンは、その独特の美しさと古代から伝わる意味により、多くの人々を魅了し続けている天然石です。勇気と癒しのエネルギーを持つとされるこの石は、日常のアクセサリーとしても、特別なお守りとしても活躍します。
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