この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
日本宝石協会理事
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 宇弘
天然石・パワーストーンは、正しいお手入れと保管方法を知っているかどうかで、その美しさや状態が大きく変わります。石の種類によって水への耐性や光への強さはさまざまで、一律のケアでは傷みや変色を招くこともあります。この記事では、石の種類別のお手入れ方法から日常のケア習慣、正しい保管方法まで、FGA(英国宝石学協会)資格を持つ宝石鑑定士が解説します。
この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
日本宝石協会理事
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 宇弘
「買ったときは輝いていたのに、気づいたら色がくすんでいた」——天然石・パワーストーンのジュエリーにはそういったことが起きやすいものです。汗や皮脂、化粧品などの汚れが少しずつ蓄積するだけでなく、紫外線・湿気・急激な温度変化など、日常のさまざまな環境が石の状態に影響を与えます。
ただ、適切なケアさえ続ければ、こうした変化の多くは防ぐことができます。正しいお手入れと保管を習慣にすることで、次のようなメリットが得られます。
天然石のお手入れに「これをやっておけば全部OK」という万能な方法はありません。石の種類によって硬さ、水への耐性、光や熱への弱さが異なるため、まず石の特性を知ることが正しいケアの第一歩です。
モース硬度とは、鉱物の傷つきにくさを1〜10の数値で表した指標です。数値が高いほど硬く、傷がつきにくくなります。
水分や湿気で変色・劣化しやすい石があります。水洗いはもちろん、汗や雨にも注意が必要です。反対に、水洗いに対応できる石もあります。ただし、長時間の水への浸けおきは避けてください。
※充填処理やオイル処理が施されている石は水洗い不可の場合があります。不明な場合は専門店にご相談ください。
直射日光や強い照明に長時間さらされると、色が薄くなったり変色したりする石があります。保管は暗所を基本とし、特に以下の石は直射日光の当たる場所を避けてください。
急激な温度変化や高温がひび割れや変色の原因になることがあります。温泉・サウナ・海水浴の際は必ず外しましょう。
天然石・パワーストーンのお手入れは、石の種類ごとに適切な方法が異なります。ご自身のジュエリーに使われている石を確認してからケアしてください。
硬度10で最も硬い宝石ですが、衝撃には意外と弱く、割れや欠けが起きることがあります。着用後は柔らかい布で軽く拭き取るだけで十分です。汚れが気になったときはクリーナーを使いましょう。超音波洗浄機の使用も基本的には可能ですが、心配な場合は専門店に相談してからにしましょう。他のダイヤモンドと接触すると傷がつく場合があるため、保管時は個別に分けましょう。
硬度9の丈夫な石ですが、熱処理や充填処理が施されているものは水洗いや超音波洗浄を避けてください。着用後は柔らかい布で汗や汚れを拭き取るだけで十分です。処理なしのものは水洗い・超音波洗浄ともに対応可能です。
ルビーと同じコランダムという鉱物で、硬度・お手入れ方法ともにルビーに準じます。処理なしのものは比較的お手入れしやすい石ですが、充填処理品は水や超音波洗浄に注意が必要です。着用後は柔らかい布で拭き取る習慣をつけましょう。
美しい緑色の宝石ですが、内部にひびや傷が多く、オイル処理が施されているものがほとんどです。水洗いや超音波洗浄はオイルを流し出してしまうため避けてください。着用後は乾いた柔らかい布でやさしく拭き取るだけにとどめ、専門店でのクリーニングをおすすめします。急激な温度変化にも弱いため、温泉やサウナへの持ち込みは厳禁です。
クォーツ(水晶)の一種で、比較的お手入れしやすい石です。着用後は柔らかい布で拭き取るだけで十分で、水洗いも可能です。ただし、紫外線に長時間当たると色が褪せることがあるため、保管は直射日光を避けた暗所にしましょう。超音波洗浄機の使用も基本的には可能です。
アメシストと同じクォーツ系の石で、お手入れ方法もほぼ同様です。着用後は柔らかい布で拭き取り、汚れが気になる場合は水洗いしてください。アメシスト同様、光による退色に注意が必要なため、保管は暗所で行いましょう。
有機宝石のため、他の天然石とは異なる特別なケアが必要です。汗や化粧品の成分がとくにダメージになるため、着用後は必ず柔らかい布で拭き取る習慣をつけてください。真水での短時間の水洗いは可能ですが、塩水・洗剤の使用や長時間の浸けおきは避けてください。酸性のもの(レモン、酢など)や香水・ヘアスプレーの直接接触は厳禁で、超音波洗浄機も使用しないでください。
含水シリカからなる石で、水分を含んだ状態で安定しています。乾燥によりひびが入ることがあるため、極端に乾燥した環境での保管は避けましょう。着用後は湿らせた柔らかい布で優しく拭き取ってください。急激な温度変化や衝撃に非常に弱く、超音波洗浄機も使用禁止です。お手入れ方法に迷ったときは専門店にご相談ください。
多孔質のため水分や油分を吸収しやすく、変色の原因になります。水洗いは避け、着用後は乾いた柔らかい布で軽く拭き取るだけにしてください。汗や皮脂、化粧品との接触も色変化を招くことがあります。汚れが気になる場合は無理に自分でケアせず、専門店にご相談ください。
アメシスト・シトリンと同じクォーツ系の石です。着用後は柔らかい布で拭き取るだけで十分で、水洗いも可能です。ただし、紫外線に長時間当たるとピンク色が褪せやすい性質があるため、保管は直射日光を避けた暗所で行いましょう。
硬度6.5〜7の比較的丈夫な石です。着用後は柔らかい布で拭き取り、汚れが気になる場合は水洗いしてください。石の内部に繊維状の構造があるため、超音波洗浄機の使用は避けた方が無難です。直射日光による変色を防ぐため、保管は暗所で行いましょう。
鮮やかな青色が特徴の石ですが、多孔質のため水分や洗剤を吸収しやすく変色の原因になります。ターコイズ同様、水洗いは避け、着用後は乾いた柔らかい布で拭き取るだけにしてください。汗や化粧品との接触にも注意が必要です。超音波洗浄機も使用禁止です。
硬度6.5〜7.5の丈夫な石で、比較的お手入れしやすい部類に入ります。着用後は柔らかい布で拭き取り、汚れが気になる場合は水洗いしてください。ただし、急激な温度変化には弱いため、温泉やサウナへの持ち込みは避けましょう。
特別な道具がなくても、日々の小さな習慣が天然石・パワーストーンの美しさを長く保つ一番の近道です。
市販の超音波洗浄機やスチームクリーナーは便利なアイテムですが、石の種類によっては使用することでダメージを与えてしまうことがあります。必ず事前に確認してから使用してください。
スチームクリーナーはダイヤモンド・ルビー・サファイアなど一部の石に限定されます。専門的な知識が必要なため、自己判断での使用は避け、専門店に任せることをおすすめします。
お手入れと同じくらい重要なのが保管方法です。せっかくきれいにケアしても、保管環境が適切でなければ石の状態は悪化してしまいます。
硬い石が柔らかい石を傷つけることがあるため、アクセサリーはひとつずつ別の袋や仕切りに分けて保管しましょう。
「色がくすんできた」「石の留め具が緩んできた気がする」「表面に傷がついてしまった」——こうした変化に気づいたら、自分でどうにかしようとせず、まず専門店に相談することをおすすめします。無理に自己処置をすると、症状を悪化させてしまうことがあります。
夢仕立では、指輪のサイズ直し・石が取れたジュエリーの修理・ネックレスの修理・クリーニング・新品仕上げなど、さまざまなご相談を承っています。
A. 着用後は毎回、柔らかい布で拭き取るだけで十分です。汚れが気になったときにクリーナーを使う程度で問題ありません。年に1〜2回は専門店でのクリーニングを受けると、より長く美しい状態を保てます。
A. 石の種類によって使用できるクリーナーが異なります。必ず石の特性を確認してから使用してください。不安な場合は専門店にご相談ください。
A. 石の種類によります。ダイヤモンド・ルビー・サファイアなど硬度の高い石(処理なしのもの)は水洗い可能です。パールは真水に限り水洗いできますが、塩水・洗剤は避けてください。ターコイズ・オパールなどは水分を嫌うため水洗いは避けましょう。まず石の種類を確認してからケアしてください。
A. 柔らかい布で汚れをしっかり拭き取ってから、ひとつずつ個別に包み、直射日光を避けた暗所で保管してください。
A. 夢仕立では、石が取れたジュエリーの修理・指輪のサイズ直し・クリーニングなど、さまざまなご相談を承っております。まずはお気軽にご来店・お問い合わせください。