この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
日本宝石協会理事
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 宇弘

ゴールドジュエリー、ゴールドアクセサリーの正しい手入れ方法を徹底解説。黒ずみや変色の原因から、自宅でできる簡単クリーニング方法、K18・K14・メッキ別のケア方法を鑑定士の資格を持つ、日本宝石協会の理事が解説します。
この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
日本宝石協会理事
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 宇弘
「購入時の輝きが失われてきた」「黒ずみが気になる」「くすんで見える」――そんなお悩みはありませんか?
ゴールドは比較的メンテナンスがしやすい素材ですが、正しいケアをしないと美しさが失われてしまいます。この記事では、ゴールドジュエリー、ゴールドアクセサリーの正しい手入れ方法から、黒ずみの落とし方、素材別のケア方法まで詳しく解説します。
最も一般的な原因です。
メカニズム:
身につけることで付着した皮脂や汗が酸化し、ジュエリーやアクセサリーの表面に汚れとして蓄積し、分子レベルで酸化皮膜として付着します。この汚れが赤みや黒ずみ、くすみの原因になります。
こんな時に起こりやすい:
日常的に使う化粧品が影響することがあります。
影響を与えるもの:
これらに含まれる成分が、ゴールドの表面に膜を作り、くすみの原因になります。
純金(k24)以外のゴールドは、他の金属を混ぜた合金です。
混ぜられている金属:
これらの金属が空気中の硫黄分や塩分と反応し、変色することがあります。特に銀や銅は変色しやすい性質があります。
温泉に含まれる成分がゴールドを変色させることがあります。
温泉の場合:
水銀成分が金属と反応し、金アモルガムという別の物質になる原因となります。
金メッキアクセサリー特有の問題です。
メカニズム:
表面の薄い金の層が摩擦や経年劣化で剥がれ、下地の金属が露出することで変色したように見えます。
特徴:
メリット:
変色や黒ずみがほとんど起こりません。金属アレルギーも起こりにくいです。
デメリット:
傷つきやすく、変形しやすいため、日常使いには注意が必要です。
特徴:
純金ほど柔らかくないため、アクセサリーとして使いやすい金です。
特徴:
色のバリエーション:
特徴:
金の含有率が低い分、混ぜられた金属の影響を受けやすく、18金より変色しやすい傾向があります。
特徴:
金の含有率が半分以下のため、変色しやすく、金属アレルギーのリスクも高まります。
GP(Gold Plated / ゴールドプレート):
GF(Gold Filled / ゴールドフィルド):
注意点:
メッキは時間とともに剥がれるため、永続的な美しさは期待できません。
用意するもの:
手順:
ポイント:
この1分のケアが、長期的な美しさを保つ最大の秘訣です。皮脂や汗が酸化する前に拭き取ることで、黒ずみを防げます。
用意するもの:
手順:
注意点:
用意するもの:
手順:
適している場合:
用意するもの:
手順:
注意点:
メリット:
炭酸の泡が細かい隙間の汚れを浮かせてくれます。手軽で安全な方法です。
特徴:
使い方:
おすすめの場合:
サービス内容:
メリット:
頻度の目安:
| 素材 | 手入れ方法 | 特別な注意点 |
|---|---|---|
| k24(純金) | 柔らかい布で拭く、中性洗剤での洗浄 | 傷つきやすいので優しく扱う。ブラシは使わない |
| k22 | 柔らかい布で拭く、中性洗剤での洗浄 | 比較的丈夫だが、柔らかい布で拭く |
| k18 | 柔らかい布で拭く、中性洗剤・重曹・炭酸水での洗浄可 | 最も手入れしやすい。超音波洗浄も可(宝石の種類に注意) |
| k14・k10 | 柔らかい布で拭く、中性洗剤での洗浄 | 変色しやすいので、こまめな手入れが必要 |
| 金メッキ(GP) | 柔らかい布で優しく拭くのみ | 水洗い厳禁。ブラシ厳禁。摩擦を避ける |
| ゴールドフィルド(GF) | 柔らかい布で拭く、中性洗剤での優しい洗浄 | GPより丈夫だが、強くこすらない |
特徴:
最もポピュラーなゴールド。銀と銅を混ぜた合金で、美しい黄金色が特徴です。
手入れ方法:
特徴:
銅を多く含むため、温かみのあるピンク色。日本で人気の高い色です。
手入れ方法:
特徴:
パラジウムや銀を混ぜて白色にしたゴールド。表面にロジウムメッキを施していることが多いです。
手入れ方法:
注意点:
特徴:
最も硬い宝石。手入れしやすく、ほとんどの洗浄方法が使えます。
手入れ方法:
ポイント:
ダイヤモンドは油分を引き寄せやすいため、こまめな洗浄がおすすめです。
特徴:
硬度が高く丈夫な宝石。
手入れ方法:
注意点:
拡散処理や充填処理されたものは、超音波洗浄を避けてください。
特徴:
非常にデリケートな宝石。ほとんどがオイル処理されています。
手入れ方法:
絶対に避けること:
特徴:
有機質の宝石で、酸に非常に弱い。
手入れ方法:
絶対に避けること:
特別な注意:
パールは最後に身につけ、最初に外すのが鉄則です。
なぜ個別保管が必要なのか:
おすすめの保管方法:
適した環境:
避けるべき場所:
手順:
ポイント:
空気に触れさせないことで、変色を防げます。
1. 温泉・プールに着けて入る
2. スポーツや激しい運動時に着ける
3. 就寝時に着けたままにする
4. 家事をする時に着けたままにする
1. 研磨剤入りの洗剤やクレンザーを使う
2. 硬いブラシでゴシゴシこする
3. 漂白剤や強力な洗剤を使う
4. 熱湯で洗う
5. ドライヤーで乾かす
1. すべてのアクセサリーを一緒に保管
2. 直射日光の当たる場所に置く
3. 湿気の多い場所に保管
金メッキは薄い金の層が表面にコーティングされているだけなので、特に丁寧な扱いが必要です。
基本的なケア:
洗浄方法:
対処法:
再メッキの注意点:
何度も再メッキを繰り返すと、下地の金属が削られて薄くなります。大切なアクセサリーは、思い切ってK18などの無垢の金に作り替えることをおすすめします。
すぐに相談すべき症状:
クリーニング:
研磨(ポリッシング):
修理:
メンテナンス:
頻度の目安:
メリット:
Q1. ゴールドは変色しないと聞きましたが、赤っぽく黒ずんできました。なぜですか?
A. 純金も変色します。金である以上、酸化皮膜ができる現象は防ぐことはできません。特にk18以下のゴールドは銀や銅などの金属が混ざっているため、これらの金属が酸化して変色を加速させることがあります。また、表面の汚れが蓄積して赤っぽく黒ずんで見えることもあります。まずは洗浄を試してみてください。
Q2. 毎日のお手入れはどのくらい時間がかかりますか?
A. 外した後に柔らかい布で拭くだけなら1分程度です。この習慣が長期的な美しさを保つ最大の秘訣です。
Q3. 超音波洗浄機は使っても大丈夫ですか?
A. 宝石が付いていないシンプルなゴールドジュエリー、ゴールドアクセサリーなら基本的に問題ありません。ただし、エメラルドやパール、オパールなどのデリケートな宝石が付いている場合は避けてください。また、メッキのアクセサリーも避けましょう。
Q4. ピンクゴールドが赤っぽくなってきました。元に戻りますか?
A. 表面の汚れが原因なら洗浄で改善します。しかし、銅の酸化が進んでいる場合は、専門店で研磨(ポリッシング)が必要です。ただし、研磨は表面を削るため、何度もできません。
Q5. ホワイトゴールドが黄色っぽくなってきました。
A. ホワイトゴールドは通常、表面にロジウムメッキが施されています。このメッキが剥がれると、下地のゴールドの色(黄色)が見えてきます。専門店でロジウムメッキの再施工が必要です。
Q6. 温泉に入る時、ゴールドのアクセサリーは外すべきですか?
A. はい、必ず外してください。特に硫黄泉は金属を変色させます。ホワイトゴールドやピンクゴールドは特に影響を受けやすいです。
Q7. 古いゴールドジュエリー、ゴールドアクセサリーを蘇らせることはできますか?
A. はい、可能です。専門店でのクリーニングと研磨で、見違えるほど美しくなります。また、デザインが古い場合は、リフォームして今のスタイルに合わせることもできます。
Q8. K18とK14、どちらが手入れしやすいですか?
A. K18の方が金の含有率が高いため、変色しにくく手入れしやすいです。K14は金の含有率が低い分、混ぜられた金属の影響を受けやすく、こまめな手入れが必要です。
毎日のケアが最も重要
定期的な洗浄を習慣に
正しい保管で変色を防ぐ
NGな行為を避ける
素材に合わせたケアを
定期的なプロのメンテナンス
ゴールドジュエリー、ゴールドアクセサリーは適切なケアをすれば、何十年も美しさを保つことができます。毎日のちょっとした手入れと、定期的なメンテナンスで、大切なアクセサリーを長く愛用してください。
自分では手に負えない汚れやトラブルが発生した場合は、無理に自己流で対処せず、信頼できるジュエリー専門店に相談することをおすすめします。適切な処置で、アクセサリーを美しく蘇らせることができます。
この記事のまとめ