この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
日本宝石協会理事
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 宇弘
冠婚葬祭など、格式ある場にふさわしいアクセサリーといえば「パールネックレス」が代表的な存在です。なかでも白のアコヤパールネックレスは、どのような場面にも合わせやすい「万能ネックレス」として長年多くの人に愛されてきました。 この記事では、成人式や結婚式などの「晴れの日」から、葬儀・法要などのブラックフォーマルシーンまで、冠婚葬祭に最適なパールネックレスの選び方やマナーを鑑定士の資格を持つ、日本宝石協会の理事が解説します。
この記事の監修者
英国宝石学協会 資格会員ディプロマ FGA
日本宝石協会理事
夢仕立工房 ジュエリーデザイナー
依田 宇弘
冠婚葬祭において、パールネックレスは必ず必要というわけではありません。ですが、フォーマルな場では洋服だけでなく、アクセサリーの「品格」も求められるため、1本持っておくと非常に安心です。
特に白のアコヤパールは、どのようなシーンでも違和感がなく、柔らかな光沢が装いに華やかさと清潔感をプラスしてくれます。
お祝いの席には、やはり白いアコヤパールネックレスが定番です。特に結婚式では、花嫁もパールを身につけていることが多いため、控えめで上品なサイズが推奨されます。
目安としては、7.5mm前後の珠がバランスよく、カジュアルすぎず派手すぎない絶妙なサイズ感です。小さすぎると普段使いの印象が強くなり、大きすぎると主張が強すぎてしまうため、シーンを問わず使いたい場合はこのサイズが最適といえます。
最近では、価格の手軽さからイミテーションパールを使用する方も増えてきています。しかしイミテーションは、表面の光沢が強すぎてギラついた印象を与えてしまうことが多く、特に屋内照明の下では目立ちすぎてしまう傾向があります。
また、イミテーションのコーティングが衣服に色移りすることもあるため、高級ドレスとの併用は注意が必要です。このような点からも、可能であれば天然のアコヤパールを選ぶのがおすすめです。フォーマルシーンでの印象を大切にしたい方には、特にこだわりたいポイントです。
ブラックフォーマル、つまり葬儀や法要などの厳粛な場においても、白のアコヤパールネックレスは基本的に問題ありません。むしろ長年「喪の装いの定番」とされてきたこともあり、現在も多くの方が選んでいます。
一方で、最近ではグレーやブラックのパールネックレスも人気が高まっています。グレーパールは、白よりもやや控えめな印象になり、光沢も抑えめなものが多いため、喪の場にふさわしい選択肢です。
ブラックパールも選ばれることがありますが、注意点としては「てり(光沢)」が強すぎないものを選ぶこと。二次色(緑や赤、青みなどの反射)が目立つと、華やかすぎる印象を与えてしまうことがありますので、なるべく落ち着いた光沢のパールを選ぶのがポイントです。
フォーマルシーンにおけるパールネックレスの長さは、42cm前後(プリンセスサイズ)が一般的とされています。首元に美しく沿う長さで、和装にも洋装にもバランスよく合わせられるのが特徴です。
ただし、首の太さや骨格により印象が変わるため、注意が必要です。
このため、ご自身の首回りの長さを事前に測っておくのがおすすめです。当店では、首のサイズやお召しになる洋服に合わせたネックレスの長さ調整も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
パールネックレスは、冠婚葬祭すべてのシーンで活躍できる万能アイテムです。とくに白のアコヤパールネックレスは、その清楚な美しさと柔らかな光沢で、装いに上品さと格式を添えてくれます。
「一生もののアクセサリー」として、大切な場面で自信を持って身につけられるように、サイズや長さ選びにもこだわりを持つことが大切です。
当店では、お客様の体型やシーンに合わせた長さ調整・ご相談・リフォーム対応など、丁寧にサポートさせていただきます。お気軽にご相談ください。
パールネックレスと一口に言っても、使用される真珠の種類によって印象や価格帯が大きく異なります。ここでは、冠婚葬祭などフォーマルシーンで使われる主なパールの種類についてご紹介します。
日本で最もポピュラーな真珠で、上品で繊細な光沢が特徴。冠婚葬祭すべてのシーンに対応可能で、「迷ったらこれ」と言える万能タイプです。珠のサイズも豊富で、フォーマル・セミフォーマル・カジュアルまで幅広く使えます。
オーストラリアやインドネシアで養殖される大粒の真珠。10mm以上のサイズも多く、存在感と高級感が際立ちます。ブライダルシーンや格式の高い式典などでよく選ばれます。
黒やグリーン、赤味がかった色合いを持つタヒチ産の真珠。大人の魅力を引き立てる神秘的な輝きで、喪の場でも選ばれることがあります。ただし、光沢が強すぎるものや二次色が派手なものは避けるのがマナーです。
中国産が多く、個性的な形とリーズナブルな価格が特徴。フォーマルよりはカジュアル向けですが、シンプルな一連タイプなら入学式や卒業式に使用されることもあります。
パールネックレスのお手入れは「まずよく拭くこと」と言われますが、これは誤りです。正しくは「使用後は必ず洗うこと」です。 “パールは洗えない”と言いますがこれは誤りです。パールは海や川から算出されますので、当然水に弱くはありません。実際に真珠が養殖場から出荷される際には綺麗な真水で洗浄されて出荷されます。 ではなぜ「真珠は洗えない」という様になったのでしょうか。
パールネックレスの糸変え
パールネックレスの水洗い / 真珠は水洗い出来る
これまで「真珠のネックレスは洗えない」というのが通説でした。 これは真珠のネックレスに使用している糸が絹糸やテトロン合成糸など、水分を含むと伸びたり弱くなって劣化してしまう素材が主流であるため、洗うことは良くないとされてきたことに起因します。 しかし真珠の専門家が多く在籍する大手真珠ブランドでも洗うことを推奨しないのはなぜでしょうか。 これはに残念ながら販売店である宝飾店の「2〜3年に1度糸替えを行うために店に定期的に通ってもらいたいから」という意図が含まれています。また「劣化したら新たな真珠ネックレスを購入してもらう」という販売側の意図があることも否めません。 ロンジェ糸はかつて日本全国に拡販された時代がありましたが、販売店の「お客様のリピート率を減少させるので、”洗える”ということは言わない」という方針が主流でしたので、真珠が洗えるということは一般化しませんでした。 消費者に真実を伝える義務や流通の透明化が進む中、未だに真珠のお手入れ方法に関して宝飾業界は消費者に真実を語っていません。 しかし、「真珠はお客様ご自身の手で洗ってお手入れすることができる」、これが真実です。
真珠は海や川で産まれます。だから当然、真珠は洗えます。しかし、通常は糸が弱くなるのでパールネックレスを洗うことはできません。そこで切れにくく、水洗い出来るパールネックレス専用糸『ロンジェ』を開発いたしました。このロンジェ糸だけが、パールネックレスのご自宅での洗浄を可能にします。
・通常使用されているテトロン糸の約3倍の強さで、糸切れしにくい構造 ・通常の絹糸や合成糸は洗うと伸びたり、もろくなってしまうため洗えませんが、ロンジェの糸を使用した真珠・パールネックレスはいつでもお客様ご自身の手で簡単に水洗いすることが出来ます。 お手持ちのパールネックレスを、ロンジェ糸に糸替えを行うことができます。パールは皮脂や汗によって変質・褪色してしまいますが、ご使用のたびに洗浄することで、永く品質を保つことができます。また、ロンジェ糸は通常糸に比べて耐久性が高く、約6kgの引っ張り強度をがあります。通常使用をしている限り、半永久的に糸切れの心配はありません。